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図書館で借りた本の読書記録です 基本的にミステリ好き


by MameBean
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平台がおまちかね

平台がおまちかね (創元クライム・クラブ)
(大崎 梢 / / 東京創元社)

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出版社〈明林書房〉の新人営業マン、井辻智紀の日常を描いたハートフル・ミステリ。

自社本をたくさん売ってくれた書店の店主に冷たくされたわけ、マドンナ書店員さんが自信をなくしてしまったわけ、文学賞の受賞パーティー当日に受賞者が行方不明になったわけ、絵本に力を入れていた書店がお店を閉めてしまったわけ、ポップのコンテストを行っている書店で本が移動していたわけ‥‥

全国の書店員さんが一番売りたい本を選ぶ「本屋大賞」や、いち書店員さんの書いたポップで本が大ヒットしたり、出版の業界では最近書店員さんがクローズアップされる機会が増えましたね。でもこの本の主人公は出版業界に携わるものの、仕事は営業。中堅どころの出版社の営業マンで主に都心の書店をまわっている。

文学賞の大賞受賞者が行方不明になった「贈呈式で会いましょう」は多少ミステリ色がありますが、ほとんどが日常の謎系なので、ちょっとした出来事の裏にある側面に井辻君が気づくというもの。なので、ミステリであることを忘れてしまいます。井辻君のハマった本(彼曰く「魂本」)のラインナップでミステリだと思い起こすくらい。井辻君の魂本は私もハマったクチなのですが、私には彼のような趣味はありません‥‥(笑)
受け持ちの地区の前任の担当者であり編集に移動した吉野、女性にめっぽう弱いライバル社の営業マン真柴、頼れる上司である秋沢、ほかにも他社の営業マンが海坊主みたいだったり巨漢ですぐに抱きつく人だったりと、気になる人物がたくさんいて今後、シリーズ化しそうな感じ。‥‥と思ったら、HPの紹介文に『〈出版社営業・井辻智紀の業務日誌〉シリーズ第一弾』との一文が。第二弾が出るということですね。
by MameBean | 2008-10-27 18:37 | 借りた本─ミステリ