図書館で借りた本の読書記録です 基本的にミステリ好き


by MameBean
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タグ:森見登美彦 ( 7 ) タグの人気記事

ペンギン・ハイウェイ

ペンギン・ハイウェイ

森見 登美彦 / 角川書店(角川グループパブリッシング)


小学四年生のぼくが住む郊外の町に、突然ペンギンたちが現れた。

物語の舞台は京都でもないし、ヘタレ大学生も出てきません。
これはあえての封印なんでしょう。
でも子どもがちょっと不思議な体験をするのは前作「宵山万華鏡」からの流れですね。

ペンギンがどこからともなく出てきたり、不思議な〈海〉と命名した物体が出現したり、歯科医院のお姉さんが巻き起こす不思議な出来事。

小学生らしからぬ理論的な語り口でたんたんと語られるので、途中すこし中だるみする部分もありますが、終盤の〈海〉が見つかってから物語はぐんぐん加速します。

そして気がつくと、ウチダ君も、ハマモトさんもスズキ君もお父さんもお母さんも、お姉さんも、出てくる全ての登場人物が愛おしくて、また会いたいなぁとおもってしまいます。
とくにオトナはズルいのだ!と堂々と言ってのけるお姉さんが大好き。

郊外の小さなまちで、世界の果てを探求する少年がひと回り大きくなって、ちょっと頼もしい。

読み終わったあと、夏休みが終わっちゃうような寂しい余韻が残ります。
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by MameBean | 2010-08-20 18:18 |     ─小説・エッセイ

宵山万華鏡

宵山万華鏡

森見 登美彦 / 集英社


宵山の日に妹とはぐれた姉は、不思議な世界に迷い込んでしまう‥‥(表題作)。宵山にまつわる6つの連作短編集。

宵山とは祇園祭の山鉾巡行の前日に行われるもののことなんだそう。すごい人出なんだろうけど行ってみたいなー。たびたび出てくる蟷螂山は画像で見るとほんとカマキリ。すごいのでぜひ検索してみて下さい。

幼い姉妹、乙川の友人、画家とその姪、画廊の店主、それぞれに宵山の日におこった不思議な出来事。
いつもの森見氏とはちょっと違う妖しい雰囲気。まるで巨大な万華鏡の中の世界に入り込んだよう。文体まで今までとは違いますね。正直、いままでの森見氏は何を書いても似た内容、似た雰囲気な感じがしてましたが、今回は新たな一面を見た感じがします。

6編それぞれが1話完結の短編でもあるけど、登場人物や出来事がリンクしていて、全体を通してひとつの大きな物語になっています。
特に好きだったのが娘を宵山の日になくした画家とその姪、画廊の店主に起った無限ループの一連の話。物悲しくもある、最後に画家が選んだ道。

そして森見氏の作品に登場したことのある面々も登場。森見ワールド全体としてもつながってますね。
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by MameBean | 2010-02-24 18:35 |     ─小説・エッセイ

四畳半神話大系 も!

またしても映像化の情報が。

モリミー「四畳半神話体系」がノイタミナでアニメに。

キャラクター原案は「夜は短し‥」の表紙イラストでお馴染み中村佑介氏。
主要キャラクタのイラストが出てますね。
四畳半はわりと最近読んだのにもう記憶がおぼろげなんですが、いちばん左が羽貫さん?もっとオトナっぽい感じだと思ってたのに、ギャルちっく。で、右が香織さんかぁ。

繰り返し同じ展開が続く四畳半が、いったいどういう風にアニメになるんでしょー。
放送は4月から。
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by MameBean | 2010-01-29 18:33 | ちょっとブレイク

四畳半神話大系

四畳半神話大系 (角川文庫)

森見 登美彦 / 角川書店


大学三回生の主人公は「薔薇色のキャンパスライフ」を夢見て入学したのに、ただ無意味な学生生活を送っている。

第一話を読み終わって、二話を読みはじめると「あれ?」と思う。同じ登場人物、同じ出来事。でも所属するサークルが違っていて、出来事がちょっとづつ異なっている。つまり1回生のときに貰った4枚のサークル勧誘のビラが発端になっている。そのへんが第三話あたりから飲み込めてきました。

人生においてあの時、あの道を選んでいなければ‥‥と思うことってあるもの。
でも、いきつく結果は‥‥、というのが面白い。結局出会うべき人には出あってしまうんですね。哀しいかな、それが「他人の不幸をおかずに飯を三杯食える」小津だとは‥‥。

ただ、繰り返し同じ出来事が起こり、同じ言い回しが出てくるとどうしても飽きてきてしまって、若干飛ばして読んだ部分も‥‥。
で、迎える最終話。それまでのパラレルな話が交差していき、ちょっと強引だけどまとまっていきます。


 小津は例の妖怪めいた笑みを浮かべて、へらへらと笑った。
 「僕なりの愛ですわい」
 「そんな汚いもん、いらんわい」
 私は答えた。
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by MameBean | 2009-11-25 19:54 |     ─小説・エッセイ

恋文の技術

恋文の技術

森見 登美彦 / ポプラ社


京都を離れ能登で研究をせねばならなくなった守田一郎が、知り合いや友人にあてた手紙。

守田一郎が文通武者修行と称して、友人や先輩、教え子の少年などに出した手紙だけで構成されてます。相手からの返事は載っていませんが、どんなことが書かれていてどんな出来事があったのかが伝わってきます。そのうち文通相手がリンクしてきて、これがアノ人でこれが‥‥というのが分かってくるのが面白い。まさかのつながりとかあったりもして。同じ出来事でも主人公が変われば全く違う物語になったりするのですね。
この守田一郎は、いかにも森見氏の本に出てきそうなダメダメ人間。ここまで○っ○い、お○ぱ○書くというのもいかがなものかと思いますよー。そして作家・森見登美彦も登場し、ホントか嘘か分からないけど「夜は短し」誕生秘話が描かれています。あー、私もすき焼き食べたい。そして高等遊民になりたい。

守田一郎が恋文の技術を習得できたかどうかは、その後の手紙がないので分かりませんが、最後の伊吹夏子さんへの手紙を読むと、文通武者修行も無駄じゃなかったなぁと思わせてくれます。
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by MameBean | 2009-09-09 18:17 |     ─小説・エッセイ

有頂天家族

有頂天家族
(森見 登美彦 / / 幻冬舎)

* * * * * * * *

下鴨神社糺ノ森に平安時代から続く下鴨一族。父亡き後、力をあわせて宿敵夷川家と戦うその一族の正体は‥‥狸。

海よりも深い愛で子供達を愛する母親。父の跡を継ぐべく根回しに忙しい長兄。井戸の底に引きこもった次兄。従兄にいじめられっぱなしの頼りない弟。樋口一葉を四字熟語だと思っている金閣・銀閣兄弟。決して姿を見せない口の悪い元許嫁。‥‥などなど気になるキャラクタがたくさん登場し、ドタバタホームドラマといった感じなんだけど、ちょっと違うのはそれらがみんなもふもふの毛玉たちだということ。さらに天狗や人間が入り乱れてモリミーらしいカオスな雰囲気になっています。三つ巴の乱闘シーンにはスカッとしました。もっと赤玉ポートワインを!
どれもこれも愛おしいキャラクタなのですが、お尻をかじられないように鉄のパンツを履く金閣・銀閣、綿埃のような長老、人間だとスズキ君が好きです。落ちぶれた天狗・赤玉先生や半天狗の弁天、狸が大好きな淀川教授など他にも主要なキャラクタがいるのですが、私はもふもふしてる方が好きだなー(スズキ君は例外)。

夷川家との日常的な阿呆な攻防とかも面白いのですが、最終章の父親の急逝の理由が分かるあたりで加速する展開が面白い。トップの座をめぐる権謀術数が渦巻いているのにどろどろした感じがしないのは‥‥狸だから。そして父の最後の言葉にはじーんときました。どこまで本気で言ったのかは分かりませんが、なかなか奥が深い言葉だなぁと思います。果たして自分が死ぬ時にこんな言葉が言えるものなのか。
基本的に阿呆な話なのですが、ふいにじーんとくる台詞があったりするんですよね。特に問答無用で子どもたちは立派な狸だと信じる母の愛。

この狸シリーズは三部作になるそうで、第二部の連載もスタートしたようですね。続きが楽しみ。
それにしても京都熱が再燃しましたー。下鴨神社に行ったら狸の姿を探してしまいそうだ。

 「これも阿呆の血のしからしむるところだ」
 私は言った。
 「面白きことは良きことなり!」
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by MameBean | 2008-08-20 18:44 |     ─小説・エッセイ

夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女
(森見 登美彦 / / 角川書店)

* * * * * * * *

クラブの後輩に一目惚れしてしまった「私」。
彼女のハートを射止めるべく、常に彼女の視界に入ることを心がけてきた。
第20回山本周五郎賞 受賞。

なるべく彼女の目にとまる作戦、名付けて「ナカメ作戦」。

偽電気ブラン、閨房調査団、韋駄天コタツ、パン食連合ビスコ派、偏屈王、プリンセス・ダルマ‥‥
読んでいない方にとっては何のこっちゃという感じですが、これはうまく説明できないんですね。もう読んでもらうしかない、としか言えません。ちなみに私もビスコ派です。小麦胚芽入り。

外堀から本丸こと意中の後輩へと攻めていこうとする先輩に対して、どこからともなく突然現れて恋路を邪魔するのが、これまた摩訶不思議な人たち。
いつも浴衣を着てて自らを天狗と名のり空中浮遊する樋口さん。宴会に紛れ込んでタダ酒を飲むのを得意とし、酔うと人の顔を舐めまくる羽貫さん。大富豪で屋上に竹林と池のある自家用三階建て電車に乗っている李白翁。
樋口さんと羽貫さんは『四畳半神話大系』に登場するそうですね。そっちから読めばよかったかな。

他にもパンツ番長や事務局長とか象のお尻の人とか、書ききれないくらいのたくさんの人が登場します。脇役が強烈な個性を放っているから、黒髪の乙女はヒロインに決まっているのに、先輩はいつまでたってもヒーローにはなれず路傍の石ころに甘んじるしかない。でも先輩には申し訳ないけど、特にたくさんの人が入り乱れてカオスと化す学園祭の話がいちばんオモチロイ。その次の冬の話で怒濤の出来事も終焉を迎え、しみじみと人恋しくなります。

意中の彼女にも『運命』を感じてもらいたいのに、いつまでたっても『あ!先輩、奇遇ですねえ!』としか言われず、眼中になさそう。天然だな〜、彼女。先輩と黒髪の乙女の交互の視点で書かれるので、乙女の気づいてなさっぷりに少々先輩がかわいそうになります。ほんと、ニアミスなんですよ。春の夜の先斗町で、夏の古本市で、秋の学園祭で。いつも同じ場所ですれ違いつづけ、最後の最後に念願の偶然の出会いができるんだけど、詭弁踊りだの火鍋だので混乱して、台詞が出てこず逃げるようにその場を去るしかない。まぁこんなもんですよね、現実は。

でも、これからお願いごとをする時に唱える呪文は決まりました。
なむなむ!


 偶然のすれ違いになるか、それとも運命の出逢いになるか、
 すべては己にかかっている。
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by MameBean | 2007-10-24 17:29 |     ─小説・エッセイ