図書館で借りた本の読書記録です 基本的にミステリ好き


by MameBean
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少し変わった子あります

少し変わった子あります

森 博嗣 / 文藝春秋


失踪した後輩が通っていたのは、いっぷう変わった料理店。予約のたびに場所が変わり、毎回違う若い女性が食事に相伴してくれるという‥‥。

名前とかどんな職業についているのかって、たいした意味を持っていないんだな、と思う。むしろそういう情報があるからこそ、その人の本質が見えなくなることもあったり。

看板も名前もないお店。
初めて会った他人と食事をする。その人と食事をするのはその1回限り。
スナックやクラブのような接客をするわけではなく、時には会話もあるけど、あとはお互いにただただ食事をする。そんな不思議なお店。

友人にそのお店のことを聞いた主人公の教授は、そのお店に行くようになり、気がつけばだんだんとそのお店の魅力にとりこまれていく。たんたんと静かに物語は進むのに、どこかひやっと寒くなるような感覚。

主人公が大学教授ということで、どうしても森氏をイメージしてしまいます。それがよけいに現実と虚構との差をあいまいにしている気がします。

それにしても食べ方でお里が知れますよね。この本を読んでから、自分がどんな風に食事をしているのかがすごく気になるようになりました。
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by MameBean | 2010-04-08 18:10 | ─小説・エッセイ

イナイ×イナイ

イナイ×イナイ (講談社ノベルス)
(森 博嗣 / / 講談社)

* * * * * * * *

主に美術品鑑定を生業としている椙田(すぎた)事務所を訪れた佐竹千鶴の依頼は、彼女の兄を捜すこと。
椙田事務所の助手・小川と電話番・真鍋が千鶴の家を訪れた時、事件が起こる‥‥。
Xシリーズ 第1弾。

Vシリーズも読みかけなのに、新しいシリーズに手を出しています。シリーズを読み終わってしまうのが寂しいんですよね〜。

探偵事務所が出てくるので『ゾラ…』とだぶりますが、こちらの探偵はかなり‥‥天然?
何かやってたの?と聞かれて、ここで言う何かとは武術とかなのに、「剣玉なら」「ヨーヨーも」とか、殺人事件が起きた後なのに「お菓子かおまんじゅうが出るといいですね」とか。やたら食べ物に執着があったり、会話のベクトルがずれていたり、常識的なことを知らなかったり。
でもさらりと発した言葉に、情報処理能力の高さがうかがえます。これは新しい天才の登場なのかも。

ミステリで「双子」というキーワードが出てきたら、いくつか可能性が考えられるのでち、ょっと身構えて読んでましたが、この展開は予想していないものでした‥‥。何と言うか、生々しいというか‥‥何なんだこの家。
事件の全貌が明らかになって終わり、という終わり方ではないので、いろいろと想像が膨らみます。

そうそう、エピローグで意外な人が登場します。あー、なるほど。だから隠れていたんだ。
森ミステリを読んでいる人にはお楽しみなネタがあるので、エンドロールが流れてもくれぐれも席を立たぬよう‥‥。
どんどん広がっていきますね、森ワールド。

 ようするに頭のバッファが足りない証拠だ。
 まあ、簡単に言えば、頭が悪いんじゃないかな。
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by MameBean | 2007-11-15 19:15 | 借りた本─ミステリ

ゾラ・一撃・さようなら

ゾラ・一撃・さようなら
(森 博嗣 / / 集英社)

* * * * * * * *

頸城悦夫の元に舞い込んできた依頼、それは、むかし法輪清次郎というタレントに渡したものを取り戻してほしいというもの。しかも彼はゾラという殺し屋に命を狙われているという。

『ゾラ』とタイトルにあるので、『ZOKU』と関係ありそうですが、ノンシリーズの書き下ろし長編です。

主人公・頸城が取り戻すべく画策するお宝は、森ファンにはおなじみの『天使の演習』。保呂草さんが手に入れたやつですね。保呂草さんからどういう経路で渡ったんだろう〜なんて思いを巡らせてしまいます。そういえば夏のレプリカに出てた詩人・蓑沢素生(杜萌のお兄ちゃんですね)が出てきたりして、SMシリーズとリンクしてます。
しかも主人公が探偵ということで、いやがおうにも保呂草さんとだぶってしまいます。『ハードボイルド作品』というキャッチコピーですが、ハードボイルド度(?)は保呂草さんのほうが上ですね。

事件は終盤まで起こらず、大掛かりなトリックがあるわけでもなく、森氏のミステリを読んでいればゾラの正体は何となく予想がつきます。でもこの本の魅力はそういったミステリな要素ではなく、森氏ならではの洒落の利いた会話。そこに加わる恋愛のエッセンス。頸城は依頼にのめり込むと同時に、依頼人である志木真知子の魅力にも引き込まれていく、その過程に引き込まれました。
あー、やっぱり森氏の描くラブストーリー好きだなー。


 一瞬で馬鹿になれる能力がまだあった。それが今はない。
 不思議だ。知恵がついてしまったのだ。
 知恵というのは車でいえばブレーキのことである。
 これがなくては、走れない。少なくとも安全には走れない。
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by MameBean | 2007-10-05 07:08 | 借りた本─ミステリ

恋恋蓮歩の演習

恋恋蓮歩の演習
森 博嗣 / / 講談社

* * * * * * * *

豪華客船ヒミコ号に乗ることになった阿漕荘の面々。
航海中の船内で銃声がし、一人の男が忽然と姿を消した‥‥。

Vシリーズ第6作

空中が舞台の『魔剣天翔』の次は海。
船の上から消えた男性と絵の謎のお話です。消えた絵は関根朔太の自画像。
関根朔太は魔剣—にも出てきた画家ですね。
で、これを追うのが保呂草さんと、前作にも登場した各務亜樹良および関根朔太の義父。

前作のバックグラウンドがあるから、ストーリーや結末に奥行きがありますね。
練無が日曜は朝練をしないことにした、なんてちょっとしたことも、前作の余韻を引きずるようで切ない。

そう、今作も切ない。前半がラブストーリーのようで、SMシリーズの『今はもうない』を思い出しました。森氏の描くラブストーリー(森氏的に書くなら“ストーリィ”ですね)、好きです。
そして『今はもうない』同様、すっぱりと騙されました。でも騙されてよかったとさえ思えます。そんな爽快感。

シリーズを通して各キャラクタがさらに魅力的になってきました。
イマイチ掴めなかった保呂草さんがやっと分かったきたような。『捩れ屋敷の利鈍』でエンジェル・マヌーヴァに執着していたこととか。残るは林警部かな。

あ〜、でもシリーズ未読は『六人の超音波科学者』『朽ちる散る落ちる』『赤緑黒白』の3作になりました。
シリーズを読み終わるのもまた切ない〜〜

英語タイトルは A sea of deceits
 deceit=だますこと、うそ、偽り、ぺてん
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by mamebean | 2007-08-06 17:58 | 借りた本─ミステリ

探偵伯爵と僕

探偵伯爵と僕
(森 博嗣 / / 講談社)

* * * * * * * *

小学生の新太は、夏休みに出会ったアールと名のる探偵伯爵と友達になった。
新太の親友ハリィ、さらにガマが行方不明になり、伯爵とともに犯人に挑む。

ミステリーランド配本ということで、ジュブナイルの探偵小説のような雰囲気。
現場に残されたトランプの謎に、名前の共通点。
そして新太にも迫る犯人の手‥‥。
ワクワク、ハラハラ、ドキドキ。懐かしい、純粋な気持ちで読めました。

伯爵と新太の会話に森氏らしい感じが出てますね。
殺していいものといけないものとの違いは何なのか?

“どうして人を殺してはいけないのか?”というのは森ミステリによく出てくる命題ですよね。
伯爵は新太に“これはこうなんだ”と決めつけるような教え方はせずに、“これにはこういった側面もある”という言い方をします。教えるのではなくて考えさせる。だから、小学生でありながら新太は自分なりに考えます。

ミステリでありながら、こういった命題についても考えるきっかけを与えてくれているんですね。


それにしても、最後の方まで犯人について主人公と同じことを考えていました。だってミステリーランドだし。乙一の『銃とチョコレート』なんかもあるし。疑ってごめん‥‥(笑)

でも最後の手紙でドカン!と来ました。
んんん、どういうこと‥‥? アレが違うとはどういうこと‥‥?

いまいち私には理解できなかったのですが、いろいろな方のレビューを読んでやっと分かりました。
は〜、理解力ななさ過ぎですね、私。
かなり生々しい事件っだったようですね。ガラリと印象が変わりました。
う〜ん、森ミステリでこう来るとは‥‥。

 まず、子供たちに大人は偉いと見せかけている、
 これはなかなか大掛かりなトリックだ。

大人なんて全然偉くもなく、たいしたことないんですよね。
だって大人の方が過ちを犯すことが多いのだから。
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by mamebean | 2007-06-29 18:32 | 借りた本─ミステリ

魔剣天翔

魔剣天翔
(森 博嗣 / / 講談社)

* * * * * * * *

練無の先輩がパイロットを務める航空ショーを見に来たいつもの面々。
アクロバット演技中の機内でパイロットが射殺された。犯人は同乗していた女性記者なのか‥‥。
Vシリーズ第5作。

普段なら『こんな偶然あるワケない!』って思うことでも、森氏のミステリで書かれると必然のように感じる。何だろう、それくらい森ミステリには説得力があります。


 どんな出来事でもある観測点から見れば奇跡である。
 偶然というのは、人が偶然だと感じる、ただそれだけの評価

飛行中の航空機、周りには仲間の航空機がいて、眼下には大勢の観衆。
これは言わば大きな密室。
その中で起きる殺人事件。
前後に2人乗れる航空機。パイロットは後部座席。
しかし死亡したパイロットは後ろから撃たれている‥‥。
メインの謎はこれだけ。
そこにエンジェル・マヌーヴァと呼ばれる宝剣に関する人たちが絡み、さらに脅迫文の暗号やダイイングメッセージなど、森ミステリではちょっと珍しい仕掛けも施されています。『ヒューズ』はすごく意外でした〜。まさかこんなシンプルにくるとは思わなかった。だって森ミステリですよ?(笑)
暗号は私には分からなかったのですが、ネットで検索したらけっこう皆さん解いてらっしゃいますね。でも何かこれ、清涼院流水氏を彷彿とさせます‥‥。メフィスト賞仲間だし
動機がシンプルというか、WHYに重点を置いていないというのはいつもどおりですね。

航空機という森氏の得意ジャンルだけあって、描写にリアリティと臨場感があります。
でもへっ君の10分の1も理解できなかったかも。飛行機好きの恋人がいたら分かるようになるんでしょうね〜


保呂草さんの「仕事」内容がかなり明らかになります。
ん〜、ほどほどにしないと命落とすよ、と心配に。
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by mamebean | 2007-05-07 09:23 | 借りた本─ミステリ

夢・出逢い・魔性

夢・出逢い・魔性―You May Die in My Show
(森 博嗣 / / 講談社)

* * * * * * * *

「夢の中の女に、殺される」—放送局のプロデューサは、20年以上前に死んだ恋人の夢に怯えていた。
彼の番組に出場する小鳥遊練無たちの前で事件は起きる‥‥。
Vシリーズ第4作。

どんな仕事に就いても、どんな人と付き合っても、
自分の都合の良い目標を近場で適当に見つけて、
それに集中して、それに逃避して、
それが自分の夢なんだって思い込もうとするんです。


S&Mシリーズで犀川先生が、理由があれば殺人を犯してもいいわけではない‥‥ということを言っていますが、これって森氏のミステリの特徴でもありますね。普通の考え方をしていると予想もつかない動機だったりする。
今回は『夢』。日本語と英語のタイトルにもあるように、『夢で逢いましょう』。
いつも夢の中にいて、現実に戻って来られなかった犯人。夢の世界で生きていたと思うと、かなり怖いですね。

作中で入る犯人の独白部分がなんとも怪しくて怖い雰囲気を増幅させています。


本筋とは別のあのトリックというか仕掛け‥‥
そんな予感はしていましたが、三人称があれだったし‥‥と思って読み直してみると、うまーく書かれていました。森氏はがアンフェアな事をするはずありませんよね。
これはおまけのような森氏のサービスでしょうね。

サービスと言えば、今回はオレンジのビニルっぽいワンピースの練無、フランス人形風の紅子さん、とビジュアル的にも大サービス。練ちゃんはいまいち視覚化しづらいのですが‥‥^^;

それと気になる口調。
なりね、ねりな
私は練馬‥‥
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by MameBean | 2007-03-14 19:16 | 借りた本─ミステリ
タモリのジャポニカロゴス、好きで結構観ています。

昨日は人名でしたね。芸能人の名前とか珍しい名字とか。
『栗花落』で「つゆり」(栗の花が散るのが梅雨の始まる頃だから)
面白かったのが『九』という名字で、「いちじく」(一字・九)と読むそう。

で、森ミステリファンにはおなじみのアノ人の名前も出てきました。
『小鳥遊』

いま『夢・出逢い・魔性』を読んでいて、まさに今日「鷹がいないと小鳥が遊べる‥‥」のくだりを小鳥遊くんが説明しているのを読んでいたところでした。なんとタイムリー。
関西の方の名字だそう。
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by MameBean | 2007-03-07 10:48 | ちょっとブレイク

捩れ屋敷の利鈍

捩れ屋敷の利鈍
(森 博嗣 / 講談社)

* * * * * * * *

保呂草潤平と西之園萌絵が招待された屋敷には、宝刀『エンジェル・マヌーバ』が眠る、『メビィウスの輪』構造の建物があった。
その密室状態の建物の内部で死体が発見され、秘宝も消えてしまった‥‥。


S&Mシリーズの西之園萌絵とVシリーズの保呂草潤平が競演という、なんともうれしい設定は「講談社ノベルス20周年書き下ろしのスペシャル版!」だからのようですね。これはどういうものなのかというと、講談社ノベルス20周年を記念して、メフィスト賞作家が「密室」を書き下ろしていったシリーズのようです。で、てっきりSMでもVシリーズでもないノンシリーズなのかと思っていたら、どうやらVシリーズになっているようです。だから保呂草さんによる記述となっています。

私はVシリーズ最大のネタの『あの』ことを、SMシリーズを読んでいる途中にネットで不用意に知ってしまったので、保呂草さんの意味深な発言や紅子さんの最後の発言など内心ヒヤヒヤしながら読んでいました。かなり考えて書かれているし、この1冊はシリーズでも特殊な位置づけですね。

物語の舞台はメビウスの輪を巨大にし、輪の中に部屋が連続している建物。いまいち構造がイメージし辛いのですが、森氏のことですから実現可能な構造なのでしょう。しかしこの難しい構造は言わばダミー。消えた宝刀、密室の中の死体‥‥。どちらも心理的な盲点を突いたもので決して難しいものではありません。だからといって電話で聞いた内容だけで謎を解いてしまうとは‥‥、犀川先生の天才ぶりをあらためて感じました。

保呂草さんと萌絵は天才肌的なところが似ているんだけど、保呂草さんはあのとおり腹に一物抱えてそうなので、分かっていてもそれを教えたり分かっていることを悟られたりしない。その点、萌絵は素直だなぁと思う。世間にもまれていない、幼いせいでもあるけど。人生経験積んでいる保呂草さんの方が一枚上手でしたね。
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by MameBean | 2007-01-17 17:45 | 借りた本─ミステリ

月は幽咽のデバイス

月は幽咽のデバイス
(森 博嗣 / 講談社)

* * * * * * * *
Vシリーズ第3弾。
狼男が出ると噂される豪邸。
そこでパーティーが行われた夜、女性が無惨な死体で見つかる‥‥。



死体は密室状態で発見され、着衣はボロボロ、部屋中に引きずりまわされた痕がある‥‥。
モルグ街の殺人を彷彿とさせる設定は森ミステリっぽくない感じもしますが、部屋中に撒かれた水のトリックなどが森氏ならでは、かな。でもいつもより易し目、私でも理解できる範囲でした。(へっ君のヒントもあったし^^)

しかしトリックなどよりももっと難しく、分からないのは人の心‥‥。
保呂草さんがますます分からない‥‥。
紅子さんとは友達になれるのでしょうかね。

大人組とお子ちゃま組がほとんど別行動だったのが残念だけど、紫子さんの恐がりな一面がかわいらしかったり、阿漕荘の新たな住人・森川君の天然ぶりなど、キャラがたってきた感じ。殺人事件が起きているというのにいっこうに信じず、能天気な練無の、ある意味正常な反応にホッとしたり。

シリーズもノッてきましたね。
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by MameBean | 2006-12-25 17:20 | 借りた本─ミステリ