図書館で借りた本の読書記録です 基本的にミステリ好き


by MameBean
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タグ:有栖川有栖 ( 14 ) タグの人気記事

白い兎が逃げる

白い兎が逃げる (光文社文庫)

有栖川 有栖 / 光文社


劇団の女優・清水伶奈はストーカー被害に悩んでいた。
しかしそのストーカーが兎小屋の裏で死体となって発見される(表題作)。

作家アリスシリーズ。
3つの短編と、ひとつの中編がおさめられています。


「白い兎が逃げる」は鉄道ミステリー。
有栖川氏の鉄道ミステリーって珍しい感じがしますが、私、時刻表ものって苦手なんですよねぇ。路線図とかよくわからないし。
しかも新大阪の乗り換えとか土地勘がないから分かりにくかったり。

ほかの3編はアリバイ崩しやダイイングメッセージだったりと、バリエーションが豊か。
4編の中では、シャングリラ十字軍というテロ集団を描いた「地下室の処刑」がいちばん面白かったです。このテロ集団は「異形の客」という短編に登場するみたいなんですが、火村との直接対決がまだあるような終わり方だったのが気になります。
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by MameBean | 2010-10-13 18:45 | 借りた本─ミステリ

乱鴉の島

乱鴉の島

有栖川 有栖 / 新潮社


烏島と呼ばれる島にやって来たアリスと火村。
その島にいたのは俗世との接触を絶って隠遁する作家とその知人たちだった。

久しぶりの作家アリスシリーズ。しかも孤島ものです。意外なことに作家アリスシリーズで孤島ものは初めてなんだとか。
アリスと火村がやって来た島は通称・烏(からす)島。えさが豊富にあるとは思えないこの島に、なぜかカラスがたくさんやってくるという。
カラスの剥製に、アリスが孤高の作家・海老原とポーの「大鴉」談義を繰り広げるなど、そこかしこにカラスが出てきます。表紙に書いてあるNevereverとは「大鴉」にでてくる言葉なのだとか。
烏と島、クロウとクローン、こんなところに言葉遊びが。

事件はというと、明らかになってみるととってつけたような動機で、火村も言っているようにありふれているもの。
むしろ事件の背景に隠されている彼らの「秘密」のほうが気になってしまいました。


 Neverever—ケシテモウナイ
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by MameBean | 2009-11-11 23:16 | 借りた本─ミステリ

七つの死者の囁き

七つの死者の囁き

有栖川 有栖 ほか/ 新潮社


7人の作家によるアンソロジー

■有栖川有栖「幻の娘」
殺人事件の容疑者が主張したアリバイを証明するのは、10年前に死亡した少女‥‥。

■道尾秀介「流れ星のつくり方」
とある夜に出会った少年が出した謎。それは殺人事件の現場からどうやって犯人は逃げたか‥‥。

■石田衣良「話し石」
「話し石」という不思議な石の収集家。1001個の話し石を集めると、願いが叶うという‥‥。

■鈴木光司「熱帯夜」
映画館にかかってきた1本の電話。これがある男女の運命を大きく変えた‥‥。

■吉来駿作「嘘をついた」
「君が死んだら、僕も死ぬ」。約束した少女が死に、残された少年の身に不思議な出来事がおこる ‥‥。

■小路幸也「最後から二番目の恋」
記憶と引き換えに、過去の叶わなかった恋をやり直すことができると言われたら‥‥。

■恒川光太郎「夕闇地蔵」
お地蔵さんのそばに捨てられていた地蔵助。彼には不思議な見え方をする目を持っていた‥‥。

「死者」をテーマにしたアンソロジー。
ミステリだったりファンタジーだったり。「死者」がテーマでもホラーのようなおどろおどろしい怖さは少なかった。「夕闇地蔵」はちょっと怖かったですけど、童話のような雰囲気。童話ってちょっと残酷なもの、ありますから。

「嘘をついた」は、ありがちなホラーのようでいて着地点はミステリ。幽霊よりも生きてる人間のほうが怖いと思った。
道尾氏の「流れ星の作り方」は伏線の回収がうまい、というか最後の一文が秀逸。米澤氏の「儚い羊たちの晩餐」同様、フィニッシング・ストロークってやつですね。
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by MameBean | 2009-02-19 18:20 | 借りた本─ミステリ

火村英生に捧げる犯罪

火村英生に捧げる犯罪

(有栖川 有栖 / 文藝春秋)


大阪府警に届いた手紙。そこには府警並びに火村に対する挑発が記されていた‥‥(表題作)。

短編とショートショートを織り交ぜた8編。
ショートショートはアイデア勝負なところがありますが、火村の一人称で彼の語りのみの「鸚鵡返し」とか意外性がありました。トリックも大胆でかなり意外でしたが(笑)
私も電車待ちのあいだにいろんな事件の話をきかせてほしいです。

アリスと火村が離ればなれ(?)の中、それぞれの抱える事件が交差するのが、表題作「火村英生に捧げる犯罪」。火村とシリアルキラーの頭脳戦‥‥のようなものを想像していたので、若干肩すかし気味でした。そして珍しく(?)アリスが事件を解決するきっかけを作ります。しかし大阪府警でのアリスの言われようったら、かわいそうです(笑)

離ればなれと言えば、火村が安楽椅子探偵ぶりを示すのが「殺風景な部屋」。携帯電話を用いたものなので、必然的に時代の流れを感じますが、かたや火村が住んでる下宿というものは最近は見かけないですよねー。「偽りのペア」には下宿のおばあちゃんが久しぶりの登場です。

私的ベストは雪の上の足跡の「あるいは四風荘殺人事件」。図解が挿入されていて、こういうのワクワクしますね(笑)クローズド・サークルものなので、学生アリスシリーズで長編になりそうな雰囲気があります。クローズド・サークルと言えば学生アリスシリーズのイメージが‥‥。
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by MameBean | 2008-12-18 17:56 | 借りた本─ミステリ

妃は船を沈める

妃は船を沈める
(有栖川有栖 / / 光文社)

* * * * * * * *

大阪湾に沈んだ男は自ら海に沈んだ?−「猿の手」。離れの部屋で見つかった死体は、地震の最中に殺された?−「残酷な揺り籠」。
「妃」とあだ名される女性のまわりで起こる事件に火村准教授が挑む。

作家アリスシリーズです。
長編となっていますが、「猿の左手」と「残酷な揺り篭」という2つの中編が幕間によって繋がっています。「猿の左手」はウィリアム・W・ジェイコブズの怪奇小説『猿の手』の最後の解釈を巡って北村薫氏と議論を交わしたことがきっかけとなって生まれた話だそう。『猿の手』についてかなり詳しく言及しているのでこれでほぼストーリーを知ってしまいましたが、それでも読んでみたくなりました。

2つの事件に関わるキーパーソンが妃沙子という女性。
若い男の子の面倒を見るのが好きで、「妃」と呼ばれている。40代という年齢の割にはきれいな女性だそうですが、全然魅力的じゃない。事件の関係者だということを差し引いても、アヤシい‥‥。敵意をむき出しにした火村准教授とのバトルにハラハラました。バトルは「猿の左手」では不完全に終わるものの、「残酷な揺り篭」でもって決着をつけています。
幕間に登場する、かつて船乗りが集まったというバーのマダム。妃よりもよっぽと彼女のほうが魅力的なキャラでした。火村をゲオルグと呼べる人は彼女だけでしょう。船を沈める妃に対して、港のようなマダム。このタイトルも有栖川氏らしいなー。

動機ですが、「猿の左手」と「残酷な揺り篭」でイメージがちょっとチグハグな気がしました。お金か愛か、といったらお金を選びそうなあの人が、こういった動機で犯罪を犯すのか。2年の歳月で人も変わる、ということなのでしょうか。「残酷な揺り篭」の動機が弱く感じるんですよねー。

今回気になったのは、火村准教授の過去に関する部分と新米刑事の登場。火村准教授の癖に鋭い洞察をむけた女性刑事・コマチ。彼女が火村准教授の過去を知るきっかけになりそうなそんな予感‥‥。そして恋愛関係に発展しそうなそんな予感‥‥。いやだな‥‥。
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by MameBean | 2008-09-10 19:10 | 借りた本─ミステリ

絶叫城殺人事件

絶叫城殺人事件
(有栖川有栖 / / 新潮社)

* * * * * * * *

自らを〈ナイト・プローラー〉と名のり、若い女性ばかりを狙うシリアルキラー。残忍な犯行はホラーゲーム『絶叫城』を真似たものだった(表題作)。
黒鳥邸、壺中庵、月宮殿、雪華楼、紅雨荘、絶叫城—6つの建物に関する短編集。

作家アリスシリーズだったんですねー。タイトルに何か違和感を感じたのですが、黒鳥邸の中でアリスが言っていた台詞で分かりました。
『〈殺人事件〉とつく題名を一度もつけたことがない』。そういえば有栖川氏の作品のタイトルって〈殺人事件〉や〈死〉がつくものはないんですね。そのあたりのいきさつはあとがきに記されてます。

屋根も外壁も真っ黒な館、窓がなく出入り口が1か所だけの部屋、ホームレスの作った家、六角形の形をした廃墟、紅葉がもえる家、ゲームの中の城。壺中庵はアンソロジーかなにかで既読でした。
短編集だからコンパクトにまとまっているし、犯人候補も少ないから犯人当てがしやすい。
6編の中では月宮殿がいちばん印象的でした。トリックや謎などはなくて、被害者が命を投げ出してまで守ろうとした月宮殿とは何なのか?ただそれだけの話なんですが、有栖川氏らしい余韻の残るラストになっています。
表題作の絶叫城は他の5編とはちょっと雰囲気が違っていて、ホラーゲームに関する事件。残忍な事件が起こるとよく言われる『心の闇』。これに対する有栖川氏の思いがアリスによって代弁されていて、これまで読んだ有栖川氏の作品の中でいちばん、何か伝えたいという強い思いが感じられます。ホラーゲームをして殺人者になるのなら、ミステリも読めなくなっちゃいますよね。

そういえば、私、作家アリスシリーズはだいぶ前のものしか読んだことがなくて、今回アリスや火村准教授が携帯を使っている状況にすごく違和感を感じました。しかも火村センセイの着メロが、あの曲‥‥!?
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by MameBean | 2008-08-07 18:28 | 借りた本─ミステリ

女王国の城

女王国の城 (創元クライム・クラブ)
(有栖川 有栖 / / 東京創元社)

* * * * * * * *

新興宗教・人類協会の聖地・神倉に行ったまま連絡の取れない江神部長を案じて、アリスら推理小説研究会のメンバーが神倉に向かう。江神さんの安否は確認したものの、不穏な空気を感じた4人はしばらく神倉に留まることにする。
そんななか思いがけず殺人事件に遭遇する‥‥。
学生アリス・シリーズ 第4作。

前作『双頭の悪魔』から15年7ヶ月ぶりの続編。でも前作「双頭の悪魔」から半年と言う設定なので、バブルまっただ中、という時代背景です。読む進めていくうちにその辺のことを忘れてしまうから、アリスの「インターネットって何だ?」みたいな発言にびっくりさせられます。ネット環境もないし、携帯電話もないということです。


宗教っぽさがなく、一見フレンドリーで開かれた感じのする人類協会。
事件が起こり、徐々にあらわになる彼らの頑な態度に、EMCのメンバーのみならず、私までムカムカ。
人類協会というのが、宇宙からの使者“ペリパリ”の降臨を待つという団体なので、UFOやSFの話題が多く、EMCの4人を〈城〉に軟禁する人類協会が、必然的に地球を乗っ取りにきた宇宙人に思えてきます。だってそれぐらいこちらの要求が聞き入れられないんだから。殺人が起きているのに、警察への通報するな、さらには〈城〉から出るな、だなんて。元警官の椿さんが怒髪天を衝くのももっともです。

〈城〉から脱出した時には、してやったり!って思いましたよ。これがなかなかスリリングで、前作のマリア奪還の時よりもはらはらしました。〈城〉から出れても、街には人類協会の息がかかっていますからね。この辺SFっぽくて、会話に出てきた『不思議なマチ』もののSFが読んでみたくなります(おそ松くんなんて意外なラインナップも)。

まぁ、人類協会が警察に連絡せず街も城も封鎖したから、私の好きなクローズド・サークルになったわけでもありますが。11年前の事件で使われた拳銃、消えたビデオテープの謎‥‥
密室らしい密室、トリックらしいトリックではないけど、人間の心理を突いた華麗なマジックのようでした。〈読者への挑戦〉を前に、何とか犯人を推理しようと思うんですけど、あー前に何か気になるところがあったような‥‥と思ってもこれだけのページ数から探すのが難しく、考えをまとめる間もなく解答編を迎えてしまいました。城の見取り図よりも時間ごとのアリバイ表がほしかった‥‥!自分でメモっておけって話ですが。
人類協会の背景にあった事情も判明して、どうやら彼らは邪悪な宇宙人ではないようです。


 ふう、と溜め息をついて、足許に視線を落とすと——
 小さな星のように、キラリと何かが瞬いた。
 拾い上げて、掌にのせる。
 イヤリングだ。

有栖川氏の書く文章には、何か詩的な雰囲気がします。学生アリスシリーズは特に情感たっぷりな描写が多くて好きだなー。
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by MameBean | 2007-12-05 18:48 | 借りた本─ミステリ

双頭の悪魔

双頭の悪魔 (創元推理文庫)
(有栖川 有栖 / / 東京創元社)

* * * * * * * *

四国の山奥にある芸術家の村へ行ったまま連絡の取れないマリア。アリスたち推理研のメンバーは大雨のなか村への潜入を図るが失敗。ほどなく村唯一の交通路である橋が流された‥‥。

江神シリーズ三作目。
ずしりと重く、片手で持つと(つり革に掴まっているので)腕がつりそうな長編。前作のように情感たっぷりで草いきれまで感じられる描写は有栖川有栖テイストだなー。

前作ではモチ・信長先輩の両名の出番がなく残念だったので、今作こそは全員そろって‥‥と期待しましたが、またしても離ればなれ。いつになったら全員揃うのでしょうか。最新作の『女王国の城』ではどうなんだろう‥‥?

川で分断された隣同士の村に、江神&マリア、望月&織田&アリスという風に分かれてしまい、連絡も取れなくなってしまいます。そしてそれぞれの村で殺人事件がおこり、それぞれが事件を解決し、さらに江神さんは隣村で起こった出来事をも含めて、事件の真相にたどり着きます。

事件としては大掛かりなトリックがあるわけではなく、可能性をひとつひとつ検証・消去していくという地道な推理で犯人に対峙します。2つの村で起こった事件を同時に知ることができた読者は、江神さんより有利な情報を得ているはずなのに、3度も差し込まれる“ 読者への挑戦状 ”は、最後まで解答にたどり着きませんでした〜 

でも、推理しようと思ってミステリを読んでいるんじゃないからいいんです(いいのか、そんな読み方で^^;)。この本は、孤島パズルの事件で傷ついたマリアが、自分自身と向き合うことで事件の傷を乗り越えようとする、成長の過程を描いた物語でもあるんですから。その成長を温かく見守っているのが江神さん。その江神さん自身も、今まで語られなかった家族のこと、過去のことが少しだけ語られて、時おり江神さんが見せる陰のある表情の理由が少し分かったような気がします。なんか危うげなんですよね〜、江神さんって。そこが母性本能をくすぐるのか(笑)。

 人は知らないうちに人を食べていることがあるのよ
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by MameBean | 2007-10-12 09:06 | 借りた本─ミステリ
本格ミステリ作家クラブHPによると
有栖川有栖氏の学生アリスシリーズ最新刊が9月にでるとのこと!

 江神シリーズの新作長編(15年ぶり…)を書き上げました。
 自己最長の大作で、9月発売予定です。


あ、双頭の悪魔。それまでに読まなくちゃ‥‥。
(シリーズ物はなるべく順番に読みたい性質)
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by mamebean | 2007-07-13 17:58 | ちょっとブレイク

孤島パズル

孤島パズル
(有栖川 有栖 / / 東京創元社)

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《英都大学推理小説研究会》に新加入の有馬麻里亜の招待で、南の孤島にやって来た江神部長とアリス。
島に点在するモアイ像のパズルを解けば数億円のダイヤが手に入るが‥‥。
学生アリスシリーズ2作目。

推理小説研究会に加わった新しい顔、名はアリママリア。
孫に回文の名前をつけるほど、お祖父さんはパズル好き。
そのお祖父さんが残したお宝を捜すついでに、夏を満喫するはずだった推理小説研究会の3人。
事件が起きて犯人を突き止めるためにも、バカンスはそっちのけで宝の在処を捜さなくてはいけなくなる。
眩しいほどの海や空が殺人事件という非現実さを際立たせています。
スイス館の殺人などもそうだけど、有栖川氏の作品は情景が目に浮かぶよう。

孤島、暗号、お宝、密室、ダイイングメッセージ‥‥
前作『月光ゲーム』のクローズド・サークルがやや変化球であったのに比べ、今作は孤島に閉じ込められるという王道そのもの。次々に起こる殺人、そして3年前に水死した従兄は事故だったのか怪しくなってくる。
それぞれの人のいろんな思惑が絡み合って出来上がった密室。このパズルを解くことはできるのか。

今回の旅はモチ・信長さんは参加できなかったので、パズルのヒントを連絡してあげるはずだったんですけど、無線機が壊されちゃいましたからね。両名、出番ナシでした。でもこのふたりがいないとシリアスな感じになりますね。だれも突っ込まないというか^^;
だからか前作のような若々しさはないけど、やっぱり学生アリスシリーズは『友情』なのだと思わせます。
そして、切ないような哀しい読後感も健在。
夏が終わり、秋が来て冬になって、それを越えれば必ず春は来る。


それにしても、またしても登場人物が覚えられかなったな〜。
従兄だったり義理の兄弟だったり元恋人だったり、親戚なのに人間関係が複雑すぎる‥‥
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by mamebean | 2007-04-20 09:08 | 借りた本─ミステリ