図書館で借りた本の読書記録です 基本的にミステリ好き


by MameBean
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「クロック城」殺人事件

「クロック城」殺人事件 (講談社文庫 き 53-1)

北山 猛邦 / 講談社


太陽に最大の黒点が発見され、地球が終焉を迎えつつある1999年。探偵である深騎のもとに、クロック城に住む少女から依頼が舞い込む。第24回メフィスト賞受賞作。

初めて読む作家さんで、名前と本の表紙の雰囲気からおじさんなのかなーと勝手に思ってましたが、西尾維新、佐藤友哉と同世代でほぼ同じ時期にメフィスト賞を受賞した30歳でした。本作が2002年にメフィスト賞を受賞。久しぶりのメフィスト賞は意外にも本格ミステリでした。北山氏の前が舞城、佐藤、西尾〜ですからね。

この物語の設定は特殊で、太陽の黒点の影響で磁場が乱れ、世界が終わると言われている世紀末。磁気の影響であらゆる機械は壊れ、警察は機能せず、電話も役に立たない。こんな特殊な状況が生み出す「城」という大きなクローズドサークルで首切り死体が発見される。城には「現在」「過去」「未来」を刻んだ3つの大きな時計。
この城にやってくることになったのが、ボウガンで〈ゲシュタルトの欠片〉を退治する南深騎。
〈ゲシュタルトの欠片〉とは、ゲシュタルト理論によるもので、ないものがあるように見える現象。思い込みや錯視のようなもの、かな? ここでは幽霊のこと。
ゲシュタルトの欠片、スキップマンなど感覚的、非現実的な描写があるかと思えば、トリックはきっちり本格。大胆な物理トリックに、驚きの切断理由なんです。
非現実的な部分と現実的な部分をあわせもった作品だと言えます。

トリックが分かってからもページは続き、終盤、結界だの何だのとメタミステリになっていくのかと危惧しましたが、一応探偵役により物語は終焉に向かいます。でも新たな探偵役が登場し、推理を覆していった時は驚いたなぁ。

 見つめるんだ。
 最後の瞬間、あんたは破滅か救済か、どちらを選ぶのか。
 世界はあんた次第なんだよ。
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by MameBean | 2009-12-10 18:38 | 借りた本─ミステリ

パラダイス・クローズド

パラダイス・クローズド THANATOS (講談社ノベルス)

汀 こるもの / 講談社

周囲の者が次々と殺人や事故に巻き込まれる死神体質の双子、美樹と真樹。彼らをミステリ作家が孤島に招待する‥‥。
第37回メフィスト賞受賞作。

魚オタクで「死神体質」な高校生探偵・美樹。そんな美樹に振り回され、事件に巻き込まれるのは双子の弟・真樹。そして彼らのボディーガード役の刑事。
「死」によく出くわすのは探偵ならしょうがないこととはいえ、高校生探偵がもし実在したらこんな性格になるのでしょうか。確かに某名探偵の孫とか、親友や親戚が事件に巻き込まれてますからね。

美樹や推理作家陣から出てくる台詞は密室だの、二十則だの、十戒だのと、本格好きの人を意識した作品で、メフィスト賞らしいと言えばメフィスト賞らしい。そして最後には本格を逆手にとった、探偵がまさかの暴挙。本格でこんなことしたらふつう怒っちゃいますよね。この辺もメフィスト賞らしい。

しかし、双子の美樹真樹はわりとキャラクタが描かれているのに対して、推理作家陣のキャラが全然描かれていないので、誰が誰なんだかという以前に何人いたのかさえあやふや‥‥。そんな状況なので、とても犯人が誰なのか考えられませんでした。
そして、解決編が長いですね。犯人が判るのがちょっとあっけなく早いわりに、探偵による解決編がくどく感じられます。本格好きな人を意識したのならもっとコンパクトでもよかったのではー、と思ったり。
また、美樹が語る魚蘊蓄が膨大なんですが、流し読みでも全然オッケーでした。トリックに関係することはするんですけどね。
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by MameBean | 2009-03-06 18:15 | 借りた本─ミステリ
ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ !
(深水 黎一郎 / / 講談社)

* * * * * * * *

新聞に小説を連載している作家のもとに1通の手紙が届く。
その手紙には、ミステリー界最後の不可能トリックを用いた『意外な犯人』モノの小説案を買ってくれと書かれていた‥‥。

第36回メフィスト賞受賞作。

久しぶりのメフィスト賞受賞作です。この本が最新の受賞作のようですね。

ミステリーの祖・ポー以来、探偵、被害者、動物、死人など意外な犯人のパターンは出尽くしてしまった。
だが唯一誰も実現させていないのは「読者が犯人」という不可能トリック。

そしてこの『読者』とは、いま実際にこの本を読んでいる自分ということ。しかも「すべての読者が例外なく犯人でなくてはならない」と作者自ら書いています。どこの国であっても、どの言語に翻訳されても、どんな職業の人でも、読み終わった後「自分は犯人だったんだ」と思わなくてはならない、と。
自らハードルを上げていることになりますね〜。


で、読み終わったあと「自分は犯人だ!」と思ったかというと、そんなことはないんですね〜。
この新聞連載という形をとっているせいで、自分が何の読者であるのかがあやふやになるんですね。というか、うまくすり替えられてしまったような。しかも「犯人」という言い方もどうんだろう‥‥。
やっぱり「読者が犯人」というのは難しいのでしょうか。

ただ、文中登場するミステリ談義や超心理学談義、保険金の話はかなり面白いです。
いちおうそれらが伏線となっているんですが、それをさし引いても楽しめます。『殺人ピエロの——』を読んだ後だったせいか、すごーく読みやすく感じました。

ただ、最後に○○ページのあの文章はこういうことだからアンフェアじゃないんですよー、という釈明が入るのはちょっと興ざめに感じます。ページを戻ってそういうのを捜すのもまた、ミステリの楽しみですから。でも基本的にミステリ好きな人に向けたミステリなんでしょうね、この本。
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by mamebean | 2007-07-20 21:17 | 借りた本─ミステリ

Jの神話

Jの神話
(乾 くるみ / / 講談社)

* * * * * * * *

全寮制の名門女子高校の生徒が子宮から大量出血して死に、体内からは胎児が消えた。
1年前に学園で起きた女生徒の自殺と関係はあるのか‥‥。
第4回メフィスト賞受賞作。


メフィスト賞受賞作を読もう年間なので選んだこの本。

う〜ん、感想が難しい‥‥。
寝かせておいてもどうにもならないので、思いつくまま記してみます。

女版・ハードボイルドといった様相を呈していていて、医療ミステリーの風味も混ざってきたな、と思いつつ読み進めていくと
‥‥読了後、呆然とする自分がいました(笑)
まさかアダムとイブまで出てくるとは‥‥。あぁ、これ以上は書けません。

全寮制の女子高に入学したおとなしい少女、そしてその学園で死んだ少女の親から依頼を受けて調査する女探偵。
死んだ少女が書き残した「ジャック」とはいったい何なのか。
事件の真相が女子校の内と外から明らかになっていきます。

——が、事件が解決することで大団円を迎えるのではなく、さらに人類の存続が危うくなるようなラストが待っています。これにはかなりビックリしました。それまでの過程も全くの予想外な展開でしたが‥‥。
SF? ホラー? ‥‥ポルノ?

メフィスト賞はミステリだけでなく、SF、ホラーなどエンターテイメント小説全般を扱う賞なのでしたね。
忘れていました。
メフィスト賞、なかなか予測できない賞‥‥。
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by mamebean | 2007-04-12 09:16 | 借りた本─ミステリ
クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い
(西尾 維新 / / 講談社)

* * * * * * * *

財閥令嬢が隠棲する孤島・鴉の濡れ羽島に招かれた5人の天才達。
天才たちが集まった時、事件は起こる‥‥。
第23回メフィスト賞受賞作。


サヴァン—フランス語で、知恵ある人。
「俺様ちゃんを誰だと思ってるんだい?」
虚勢でも何でもなくこんな台詞が言える人、そして事実、その通りの能力を持った人。それが玖凪友。

でも事件を解決するのは天才ではない主人公・いーちゃん。

『孤島』『密室』『首なし』というバリバリの本格ものなのに、出てくるキャラクタが現実離れして濃いから本格ものとは一線を画しています。

 全てを知る天才占術師。
 スタイルというものを一切持たない画家。
 どんな料理であろうと他人よりもうまく作ることができる料理人。
 世界のサイバー界を震撼させたグループの創立者。
 世界のトップ7に20代の若さで上り詰めた天才学者。

天才たちの言っていることが森ミステリに出てくる天才に通じるものがあるんだけど、口調や行動が個性的というかエキセントリックだからかなり印象が違います。
天才とか好きだなー、私。天才の思考回路って面白くて好きです。
でもあとがきで西尾氏は天才なんていないのかもしれない、なんて言ってますが。

もう登場しないんじゃないかと思った『最強の請負人』・哀川さんは最後の最後で出て来てくれました。
そして最強と言うだけあっていーちゃんより一枚も二枚もうわてで、事件の真相が二転三転。でも「まっかなおとぎばなし」なんて書かれていたりして。
もうどれが本当なんだか訳が分からない状態。西尾氏の思うツボにハマってしまった感じ。

この物語はシリーズ化されているようで、いーちゃん、友ふたりともまだ何か隠された過去がありそう。
デビュー作からそこまで考えて書いていたかと思うと‥‥スゴいですね。
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by MameBean | 2007-03-22 12:00 | 借りた本─ミステリ

ドッペルゲンガー宮

ドッペルゲンガー宮―あかずの『扉』研究会流氷館へ
(霧舎 巧 / / 講談社)

* * * * * * * *

岬の突端に立つゴシック建築の建物『流氷館』。
その館に招かれた客が10人集まったとき、惨劇の幕が開いた‥‥。

第12回メフィスト賞受賞作。
こちらにも書いたように、年間目標のメフィスト賞。


本を開いたときに最初に目につく「著者のことば」に書かれているのが
『本格推理小説ファンの皆さんに読んでもらえるミステリを書いたつもりです』という一文。
確かに、これは本格ミステリ好きな読者を想定して書かれています。

探偵役の後動さんに記述者のカケル。ふたりは単なる『ホームズとワトソン』という役割分担ではないみたい。それはカケルがミステリマニアだから。ミステリで用いられる数々のネタや設定が盛り込まれつつ、それが後動さんによって否定される。あ〜、そうなの?と思いつつも、そんな事言ってもいいものかとちょっと心配になったり。
カケルが言わばミステリ好きであろう読者の代弁者でもある。
それにカケルはワトソン役にするにはかなりタナボタでおいしい役だし。


後半、謎解きがもどかしいような、ちょっと冗長に感じるんだけど、たぶんそれは仕掛けなんだろう。
造本トリックという。
本格ミステリでありながらアンチ本格のような‥‥。
物語の中では、殺人事件の起こったことは現実なのに、「地の文に嘘は書いてはいけない」だとか「ルール違反」だとか。ミステリでありながら登場人物たちが「これはミステリではない!」と声を上げていて、だんだんどちらが現実でどちらが小説なのか、自分は読者なのか物語の登場人物なのか、分からなくなる。その複雑な構成にはただただ驚くばかり。

作中作でアガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』を用いているので、読んでいない人は注意が必要かも。まぁこの本を読む人で『そして誰もいなくなった』を読んでいない人はいないでしょうが‥‥。

開かずの扉。
簡単に開ける事ができるけど、決して開けてはいけない扉。
それは‥‥人を殺すということ。
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by MameBean | 2007-03-08 10:35 | 借りた本─ミステリ

メフィスト賞

森博嗣 『すべてがFになる』
清涼院流水『コズミック 世紀末探偵神話』
高田崇史 『QED 百人一首の呪』
殊能将之『ハサミ男』
舞城王太郎 『煙か土か食い物 Smoke, Soil or Sacrifices』
佐藤友哉 『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』

以上に共通するものは‥‥


メフィスト賞受賞作。
簡単ですね。

メフィスト賞の作家は結構好きだなぁと思っていたものの、『フリッカー式』を読んでちょっと合わないかも‥‥と思い始めていましたが、『ハサミ男』で「やっぱりメフィスト!」という思いがぐぐっと強くなりました。

で、今頃ですが今年の目標として、メフィスト賞の受賞作をできるだけ読むというのを掲げていこうかなと思います。

今のところ、『ドッペルゲンガー宮 《あかずの扉》研究会流氷館へ』と『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言使い』が控えています。
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by MameBean | 2007-03-03 18:56 | ちょっとブレイク

ハサミ男

ハサミ男
(殊能 将之 / 講談社)

* * * * * * * *

少女を殺害し、ハサミを首に突き刺すシリアルキラー『ハサミ男』。
わたしはハサミ男の仕業と思える少女の死体を発見した。
しかし、それはハサミ男の犯行ではない。なぜならハサミ男はわたしだから‥‥。

第13回メフィスト賞受賞作。



本って誰の視点で描かれるかによって物事の捉え方、感じ方って変わってしまうと思う。これは殺人者の視点と警察の視点と両方で描かれています。『わたし』と警察、どちらが先に犯人に迫れるのか。どちらの側であっても犯人に近づいていく過程にはドキドキしました。

最初から何か仕掛けられていそうだな、とは思っていたものの、スッパリ騙されてしまいました。見事でした。
あまりに見事すぎて、頭が真っ白になったくらい。でも状況が飲み込めてくると、今までのシーンとか描写がフラッシュバックしてきて、すべてが一つにつながります。それが快感。そしてミステリの醍醐味ですね。
これはもう1回最初から読みたくなりますね。(実際、読み直しました)


そして殺人犯なのにハサミ男に惹かれます。テレビの評論家が言う『心の闇』がどうとかじゃなくて。
朝起きて、ご飯を作って、バイトして‥‥それら日常生活の中に殺人のための準備が組み込まれていて、淡々と行動を起こす、そういうハサミ男にはリアリティがあります。

自殺志願者が殺人犯、殺人犯なのに探偵役。なーんかちぐはぐで面白いキャラクタです>ハサミ男。
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by MameBean | 2007-02-07 10:35 | 借りた本─ミステリ
フリッカー式―鏡公彦にうってつけの殺人
(佐藤 友哉 / / 講談社)

* * * * * * * *

妹が自殺した。
そして現れた男が渡してきたのは、妹のレイプシーンを撮影したビデオとレイプ魔の娘たちの行動表‥‥。

第21回メフィスト賞受賞作。


佐藤友哉を読むのはほぼ初めてです。(ファウストでちらっとは読んでいると思うけど)

森博嗣、清涼院流水、舞城王太郎、西尾維新‥‥。
メフィスト賞の作家は嫌いじゃない。
壊れた感じのストーリーも狂った感じのキャラクタも嫌いなタイプじゃない、はずなのに。
これはイマイチのりきれなかった。

モチーフがモチーフだけに気分のいい物語ではない。

それでも肉親を失った復讐心の中に恋愛という一抹の光が見えて、途中までは面白くなっていくような期待があった。
でも‥‥そういうオチですか‥‥。
さらにそんなどんでん返しですか‥‥。


七十七人の少女を殺した「突き刺しジャック」という事件も主人公の物語と関係あるんだけど、生かしきれていないような中途半端な印象。出てくるアニメやミュージシャンの固有名詞も中途半端というか、オタクっぽい雰囲気だけでオタクじゃないような。その辺で好みが分かれるのかもしれない。

う〜ん、佐藤友哉、もう1冊くらいは読んでみよう。
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by MAMEBEAN | 2007-01-10 10:30 | 借りた本─ミステリ

QED—百人一首の呪

QED—百人一首の呪
(高田 崇史 / 講談社)

 * * * * * * * *


百人一首を握りしめて死体で発見された会社社長。
握っていた札はダイイングメッセージなのか‥‥?


仕事の空き時間にこの本を読んでたら、QEDシリーズをだいぶ読んでる会社の上司が
「ブワァ〜って話が進んで、??って思ってるうちに終わるから!」って教えてくれました。
確かに、ついていけませんでした。
藤原定家について、また定家の生きた時代についてはおもしろかったんだけどな。
いかんせん、タタル氏の蘊蓄が多くて、登場人物がいきてこなかったように思う。
「奈々はあっ、とひらめく」ってなんだそりゃ。
シリーズものなので次読む作品に期待したいですね。



この本はいつものように図書館で借りたのだけれど、
カラーのパズルの解答があったであろうページが破りとられていました。
きれいに1ページ破られていたので故意でやったのでしょう。
図書館の本だから公共のものであるし、作者にとっては愛おしいわが子のようなものでしょう。
それにこういったいたずらをする人がいること、すごく残念に思います。
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by MameBean | 2005-11-16 16:21 | 借りた本─ミステリ