図書館で借りた本の読書記録です 基本的にミステリ好き


by MameBean
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霧の迷宮から君を救い出すために
黒田 研二 / 実業之日本社

 * * * * * * * *


暗闇で何者かに襲われて崖から転落した僕は、動くものが見えなくなってしまった。そして知らされる会社の先輩の死。僕を襲ったのは誰なのか…?先輩は誰に殺されたのか…?

自分が襲われ、先輩が殺された事件を調べるうちに、またしても何者かに襲われる。『闇男』と呼ばれる連続暴行事件と絡めていて、不自由な身体ながらも戦うシーンはスリル満載でページを捲る手が止まりません。
動くものが霧がかかったように見えなくなるという大胆な設定。
終盤には数々の伏線によって物語が構成されていたことが判明し、その度になかなかの快感が味わえます。
でも密室は…う〜ん、密室を登場させる必然性がないかな。ミステリにするために密室を登場させたように感じてしまう。
サスペンスだと思って読むといいのかもしれない。


ラストは人間の二面性というか、意外性があるんだけど、アノ人もアノ人も、アノ人も…ってなると、あまりにもやり過ぎというか唐突な感じで、読後感まで悪くなってしまい残念。
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by MameBean | 2006-12-17 11:58 | 借りた本─ミステリ

有限と微小のパン

有限と微小のパン
(森 博嗣 / 講談社)

 * * * * * * * *

S&Mシリーズ最終作。
長崎にあるテーマパークを訪れた萌絵と友人たち。
彼女らが目撃した死体は、一瞬のうちに消え去ってしまった‥‥。


真賀田四季という人が少し分かったような気がします。

萌絵の感情を決壊させようとしていたのはなぜなのか‥‥。
生と死とは‥‥。

真賀田博士は、シリーズ1作目で登場して以来、いままで登場していないけど、ずっとその影はちらついていた。萌絵にとってそれは恐怖だっただろう。自分の人格が壊れていくようで。それくらいの影響力を持った人。
真賀田博士は天才すぎてよく分からない人というイメージだった。
よくわからないことはとても怖い。

でも意外だったけど、今作で人間味が感じられて、森氏が真賀田四季というキャラクタを愛おしく思って描いているのが伝わってくる。
シリーズ第1作目の英語タイトルは「The Perfect Insider」。
そして今作は「The Perfect Outsider 」。これらが指すのは、言わずもがな‥‥ですね。
もっとも身近にいたOutsider、ということですね。

シリーズラストは何ともいえない、心地よい余韻が残るものでした。
もうあの面々には会えないのかな、と思うと寂しいですね。
今回ラストだからか、オールキャスト登場、みたいになっていましたが、喜多助教授の登場がなかったのが残念^^;


四季シリーズも読むのが楽しみです。
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by MameBean | 2006-12-13 12:17 | 借りた本─ミステリ

天女の末裔

天女の末裔・放課後—江戸川乱歩賞全集〈15〉
(鳥井 架南子 東野 圭吾 日本推理作家協会 / 講談社)

 * * * * * * * *
江戸川乱歩賞を受賞した、鳥井架南子の『天女の末裔』と東野圭吾の『放課後』を掲載。
神様の祟りを恐れる山村で、23年の時を経て再び起きた不可解な転落死事件。二人の男女が、自らも窮地に追い込まれながら真相に迫る(『天女の末裔』)。


これは、どこからがフィクションなんだろう‥‥。
私はこの物語で重要な舞台となっている岐阜県の出身です。
王御滝郡という地名は実在しないし、シャーマニズム的な話も聞いたことはない。でも 伊勢湾台風はもちろん現実にあったもの。
山に囲まれ、川や滝が多い岐阜県という地域には、何かしらシャーマニズム的イメージがあるのかも知れない。

心許なかった主人公が自分の出生の秘密を調べることで、ちょっとずつ成長していく様を、川に絡めて表現しています。川は私にとっても身近でいて、そして危険なもの。
今年の夏は海や川での事故が多く報道されたけど、地元の人間は川の怖さを知っているから、決して安易な気持ちで入ったりはしない。川は急に流れが速くなったり川底が深くなるから、それらを熟知していないと危険な目にあってしまう。
川の怖さを知っているからこそ、川を越えた主人公の気持ちが分かるような気がする。


女性が作者にしては民俗学という少し硬い内容で、卒論の文章の引用があったりして読みにくいかと思ったけど、出生の秘密と殺人を絡めることで読みやすくなっている。

ただ、ミステリ的にはすごいトリックがあるわけではなく、ダイイングメッセージもあっけない感じ。登場人物が限られてますからね、犯人も消去法で分かってしまう。


東野圭吾目当てで借りて、『天女の末裔』はかる〜く読もうと思っていましたが、意外とハマりました。民俗学系はわりと好きかもしれない。
で、肝心の『放課後』は返却日が迫ってしまったので読めず終い‥‥。また借ります。
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by MameBean | 2006-11-09 11:34 | 借りた本─ミステリ

占星術殺人事件

占星術殺人事件
(島田 荘司 / 講談社)

 * * * * * * * *


ある画家の死後、手記が見つかった。そこには、自分の6人の娘をバラバラにして『アゾート』を造り出す、と書かれており、実際に娘たちがバラバラにされた状態で全国各地で見つかった‥‥。


うすうす勘付いていたけど、あぁやっぱりという感じ。
あの漫画の元ネタだったんですね。あちらではミイラになっていましたが。
漫画でもそのトリックには衝撃を受けました。もちろんトリックの完成度は小説の方がいいです。埋めた穴の深さや場所などにもちゃんと理由があって。でも、やっぱり小説で騙されたかった‥‥!

事件が起きたのを昭和11年としたのにも納得。
御手洗潔が『現代は犯罪者にとって夢のない時代』と言っていたのが印象的。

2度にわたる読者への挑戦が挿入されていて、この上なくフェアに描かれています。

さて、私にとってはじめての御手洗潔でしたが、躁鬱的でシニカルなその性格はホームズを彷彿とさせます。解説で描かれていた様子がなんだかほほえましかった。
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by MameBean | 2006-11-02 11:12 | 借りた本─ミステリ

ゴーレムの檻

ゴーレムの檻
(柄刀 一 / 光文社)

 * * * * * * * *

宇佐見博士を主役としたファンタジー・ミステリ連作短編集。
10年間独房に閉じ込められている"ゴーレム"が「封印を解く日が近づいている」と言い出した。「封印」とは、彼が独房から脱獄することを意味するのだろうか‥‥?(表題作)
表題作の他に「エッシャー世界」、「シュレーディンガーDOOR」、「見えない人、宇佐見風」、「太陽殿のイシス」の4編を収録。


紅茶はウバを、1杯目はストレートで、少し濃くなった2杯目はミルクティーで‥‥。宇佐見博士とは紅茶の好みが合いそうです。各話に紅茶が登場するので思わず口の中が紅茶味になってしまいます。

収録されている短編はほとんどが、宇佐見博士が空想や絵の世界にトリップし、その世界の中で事件が起こるという2重構造になっていて、柄刀一氏の作品を初めて(たぶん)読む私は、最初は戸惑いました。

でも非現実な中にも論理的な説明がされていて、不思議に思えることにもトリックが存在することを証明してくれます。『宇佐見=ウサギ』、『紅茶』とくれば、連想するのは『アリス』のティーパーティー。「見えない人、宇佐見風」ではモロにアリスを用いてますね。アリスの空想の世界では狂った論理に支配されていたのに対して、宇佐見博士の体験した空想の世界は論理的なんですね。

分かる人には分かるのであろう記述のしかたがされていたり、作中作の中にさらに作中作が登場したりと、頭が混乱してしまい、たぶん書かれていることを100%理解することはできませんでした。『内側』と『外側』も分かったような、分からないような‥‥。
でもエッシャーが好きで、色や錯視に関してもわりと知識はある私は、「エッシャー世界」は楽しめました。私もエッシャーの世界に行ってみたいな〜
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by MameBean | 2006-10-24 10:40 | 借りた本─ミステリ

カクレカラクリ

カクレカラクリ—An Automation in Long Sleep
(森 博嗣 / メディアファクトリー)


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廃虚マニアの郡司朋成と栗城洋輔は、大学の同級生の真知花梨に招かれて彼女の故郷・鈴鳴村にやって来た。その村には120年前に天才絡繰り師が作った絡繰りがあるという伝説がある。
その絡繰りが動き出すのは120年後にあたる今年。絡繰りは見つかるのか‥‥。


内容はミステリというより、宝探しという冒険。暗号は出てくるけど、そんなに難しいものではありません。
みんなで謎を解くべく考えを出し合い、それが連想ゲームのように広がっていく。謎が解けるまでの時間って、何とも楽しい時間ですよね。
しかも森氏のお得意の分野というか、趣味が盛りだくさんという感じ。

理系な登場人物たちのウィットに富んだ会話も、森作品ならではですね。『薪の供養』‥‥ふふふ(笑) ただ、文系の私には『丸四角三角』がイメージできませんでした><

シリーズものではないせいか、分量も森氏の作品にしては少なく、全体的にライトな感じ。登場人物が大学生の割にはVシリーズのれんちゃんや紫子さんに比べると幼い印象が。
はじめての森ミステリを読む人にはいいかもしれないけど、私はちょっと物足りないかな‥‥。


この作品はコカ・コーラ誕生120周年記念のタイアップ作品で、9月にテレビでドラマが放送されました。

ドラマの方を先に観たので、あまりの違いに驚いています。
名前もキャラクタも違うし、そもそも絡繰りが違う。ドラマでは弓を射る絡繰り人形になっていました。映像化を前提に小説は書かれたようですが、実現が難しかったたのでしょうか。しかもドラマでは120年のカウント方法とかどうしたんだっけ‥‥?


磯貝先生がなかなかいいキャラクタで、しかも重要な役割なのにドラマではあまり登場しなかったのが残念です。

2通りのカクレカラクリがあるととらえればいいのでしょう。どちらが好きかは好みの問題。ドラマは制作が大好きな堤幸彦監督のいるオフィスクレッシェンドだったので、映像とか細かい演出とか私は好きでした。
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by MameBean | 2006-10-17 10:15 | 借りた本─ミステリ
ヴィラ・マグノリアの殺人
(若竹 七海 / 光文社)

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海に臨むヴィラ・マグノリア。その空き家になった一棟で、身元不明の死体が発見された‥‥!
『古書店アゼリアの死体』と同じく、葉崎市を舞台とするコージーミステリ第2弾。


海の近くの瀟洒な邸宅、「ヴィラ・葉崎マグノリア」。
住人たちはきっとスロウでロハスな(?)生活を求めてこの土地に移り住んで来たんだろう。
しかし、おいしいレストランがほとんどない、台風の被害が大きい、車がないと移動が不便、そして近隣住民とのトラブル‥‥実際に暮らしてみると問題が多い。
そこに起こる殺人事件。
被害者は誰なのか? 犯人は‥‥? ヴィラの住民と関係があるのか?

次々と明らかになっていく住民たちの秘密。
それをユーモアに、ときどきビターを交えて描いています。
トラブルメイカーであってもどこか憎めないキャラになっているのは、若竹作品の味なのだろう。

ラストに思わぬ毒が潜んでいるので、『古書店アゼリアの死体』同様、ゆめゆめ気を抜かぬよう‥‥。
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by MameBean | 2006-10-12 20:11 | 借りた本─ミステリ

川に死体のある風景

川に死体のある風景
(綾辻行人 有栖川有栖 歌野晶午 大倉崇裕 佳多山大地 黒田研二 / 東京創元社)

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6人の豪華執筆陣が「川と死体」をテーマに競作した、ミステリ・アンソロジー。


玉川上死(歌野晶午)/水底の連鎖(黒田研二)
捜索者(大倉崇裕)/この世でいちばん珍しい水死人(佳多山大地)
悪霊憑き(綾辻行人)/桜川のオフィーリア(有栖川有栖)

『川に死体』が流れてくる、もしくは浮かんでいるって2時間もののサスペンスでよくあるシチュエーションですよね。オーソドックスで結構好きだったりします^^;

実在の川だったり架空の川だったり、海外の川だったり、山にある川だったり。
このアンソロジーでは、『川』というテーマでもその風景はそれぞれ違っている。あとがきを読むと、六者六様のテーマに対するアプローチの過程が分かって面白い。

ビジュアル的に『川』&『死体』がイメージ通りでストレートだったのが、この競作の発起人でもある歌野晶午氏の『玉川上死』。これがいちばん好きかな。
あとは『悪霊憑き』という意外なアプローチをした綾辻行人氏、硬質な感じがする『捜索者』も結構好きです。ただ、『川』じゃないけど^^;

短編集だからか、全体的にスケールが大きくなくて、トリックらしいトリックがあるものが少なかったのが残念。
綾辻氏の幻の実名『川ミス』が実現していたら、相当面白くなっていたのかも‥‥。
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by MameBean | 2006-09-29 14:55 | 借りた本─ミステリ

解体諸因

解体諸因
(西澤 保彦 / 講談社)

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マンションの8階からエレベータに1人で乗った女が、1階に到着してみるとバラバラの死体になっていた‥‥。
バラバラ殺人をテーマにした9つの連作短編集。

西澤氏の作品はアンソロジーで短編を読んで面白かったので、初めて借りてみました。いろんな作家を知るきっかけとなるのがアンソロジーの良いところですよね。


両手両足に手錠をはめられて解体される(解体迅速)、手足の指までバラバラに解体される(解体信条)、被害者の首が次の被害者の体にすげ替えられていく(解体照応)‥‥。一見、猟奇的で不可解なバラバラ殺人。

一番面白かったのは最初の『解体迅速』かな。バラバラ殺人と言うと、犯人は精神に異常をきたしていたとか、被害者に対する憎悪の余りとか、死体を運びやすくするためくらいの理由しか思いつかなかったのに、「どうしてバラバラにしたのか?」というバラバラにすることの理由が解き明かされる、その衝撃は大きかった。


探偵役が人から話を聞いただけで推理する安楽椅子探偵なので、バラバラ殺人がテーマになっているけどグロテスクな描写はなく、謎解きがパズルのようで面白い。何気ない描写が伏線になっていたりして、その伏線を組み合わせていくとパズルが完成する。あとがきで著者が自身のことをパズラーと言っていたのも納得です。

描写にも無駄がなく、でもちゃんとキャラクタが描かれていて、作中に登場する『タック&タカチ』の他のシリーズ作品も読んでみたくなりました。各話の登場人物に繋がりがあるのも芸が細かいですね。


9つの短編の中、戯曲風の話が入ったり、日常の謎的な話が入ったり、とバラエティに富んでいて飽きない工夫がしてあります。しかも最後の話で、それまでの話が繋がるというアクロバティックな技まで。最後の最後まで飽きませんでした。
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by MameBean | 2006-09-14 14:57 | 借りた本─ミステリ
数奇にして模型—NUMERICAL MODELS
(森 博嗣 / 講談社)

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S&Mシリーズの第9作。
那古野市内で開催された模型交換会で、モデルの首無し死体が発見された。死体と共に密室の中で昏倒していた人物は、他の殺人事件の容疑者でもあった。


シリーズ全10作の中の第9作目。
今作はキャラクタが豪華ですね。
喜多先生や国枝助手、金子君などレギュラー陣は新たな面が描かれていて新鮮だし、大御坊さんやラヴちゃんなど個性的な新キャラクタも登場。喜多先生の『ディフェンスラインを下げるな』、金子君の『エイリアスを作った方がいい』などなど、印象的な発言も多い。

そしてそして、犀川先生は出血大サービスなんじゃないの!? ゼムクリップ一つで立ち向かうなんて‥‥!
犀川先生が最初から事件に対して能動的で、いつもより乗り気な気がします。これはシリーズラストに向けた何かの伏線なのでしょうか。


今回模型会場が舞台ということで、模型に明るくない私には何のことやらチンプンカンプン‥‥になるかと思いきや、そうでもなかったです。
模型交換会というのはコミケやフリマみたいなもののようだし、モデラという人たちは創るプロセスに意味を見い出しているのも理解できる。
模型とは関係ないけど、大御坊さんが小説について『読者は作家の排泄物を読まされているようなもの』語っている(言ったのは儀同世津子だけど)のが面白かった。
森氏のWEB日記に、自分が執筆した作品には興味がないというようなことが書かれていて、何だか著者自身の考えが色濃く反映されているように思える。森氏もモデラだし。


森氏の作品では犯行の動機を理解しようとするのは、ある意味ナンセンスだったりします。とくに今回のような首切りは。
同じ首切りでも『生首に聞いてみろ』のようなどろどろとしたものはありません。むしろちょっと笑ってしまうような、信じられない偶然の積み重ね。

でも、タイトルが『好きにしてもOK』とのダブルミーニングらしい、というのを聞いたらちょっと背筋が寒くなりました‥‥。
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by MameBean | 2006-09-01 14:37 | 借りた本─ミステリ