図書館で借りた本の読書記録です 基本的にミステリ好き


by MameBean
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タグ:ミステリ ( 76 ) タグの人気記事

夢・出逢い・魔性

夢・出逢い・魔性―You May Die in My Show
(森 博嗣 / / 講談社)

* * * * * * * *

「夢の中の女に、殺される」—放送局のプロデューサは、20年以上前に死んだ恋人の夢に怯えていた。
彼の番組に出場する小鳥遊練無たちの前で事件は起きる‥‥。
Vシリーズ第4作。

どんな仕事に就いても、どんな人と付き合っても、
自分の都合の良い目標を近場で適当に見つけて、
それに集中して、それに逃避して、
それが自分の夢なんだって思い込もうとするんです。


S&Mシリーズで犀川先生が、理由があれば殺人を犯してもいいわけではない‥‥ということを言っていますが、これって森氏のミステリの特徴でもありますね。普通の考え方をしていると予想もつかない動機だったりする。
今回は『夢』。日本語と英語のタイトルにもあるように、『夢で逢いましょう』。
いつも夢の中にいて、現実に戻って来られなかった犯人。夢の世界で生きていたと思うと、かなり怖いですね。

作中で入る犯人の独白部分がなんとも怪しくて怖い雰囲気を増幅させています。


本筋とは別のあのトリックというか仕掛け‥‥
そんな予感はしていましたが、三人称があれだったし‥‥と思って読み直してみると、うまーく書かれていました。森氏はがアンフェアな事をするはずありませんよね。
これはおまけのような森氏のサービスでしょうね。

サービスと言えば、今回はオレンジのビニルっぽいワンピースの練無、フランス人形風の紅子さん、とビジュアル的にも大サービス。練ちゃんはいまいち視覚化しづらいのですが‥‥^^;

それと気になる口調。
なりね、ねりな
私は練馬‥‥
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by MameBean | 2007-03-14 19:16 | 借りた本─ミステリ

ドッペルゲンガー宮

ドッペルゲンガー宮―あかずの『扉』研究会流氷館へ
(霧舎 巧 / / 講談社)

* * * * * * * *

岬の突端に立つゴシック建築の建物『流氷館』。
その館に招かれた客が10人集まったとき、惨劇の幕が開いた‥‥。

第12回メフィスト賞受賞作。
こちらにも書いたように、年間目標のメフィスト賞。


本を開いたときに最初に目につく「著者のことば」に書かれているのが
『本格推理小説ファンの皆さんに読んでもらえるミステリを書いたつもりです』という一文。
確かに、これは本格ミステリ好きな読者を想定して書かれています。

探偵役の後動さんに記述者のカケル。ふたりは単なる『ホームズとワトソン』という役割分担ではないみたい。それはカケルがミステリマニアだから。ミステリで用いられる数々のネタや設定が盛り込まれつつ、それが後動さんによって否定される。あ〜、そうなの?と思いつつも、そんな事言ってもいいものかとちょっと心配になったり。
カケルが言わばミステリ好きであろう読者の代弁者でもある。
それにカケルはワトソン役にするにはかなりタナボタでおいしい役だし。


後半、謎解きがもどかしいような、ちょっと冗長に感じるんだけど、たぶんそれは仕掛けなんだろう。
造本トリックという。
本格ミステリでありながらアンチ本格のような‥‥。
物語の中では、殺人事件の起こったことは現実なのに、「地の文に嘘は書いてはいけない」だとか「ルール違反」だとか。ミステリでありながら登場人物たちが「これはミステリではない!」と声を上げていて、だんだんどちらが現実でどちらが小説なのか、自分は読者なのか物語の登場人物なのか、分からなくなる。その複雑な構成にはただただ驚くばかり。

作中作でアガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』を用いているので、読んでいない人は注意が必要かも。まぁこの本を読む人で『そして誰もいなくなった』を読んでいない人はいないでしょうが‥‥。

開かずの扉。
簡単に開ける事ができるけど、決して開けてはいけない扉。
それは‥‥人を殺すということ。
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by MameBean | 2007-03-08 10:35 | 借りた本─ミステリ

スウェーデン館の謎

スウェーデン館の謎
(有栖川 有栖 / / 講談社 )

* * * * * * * *

取材で雪深い裏磐梯を訪れた有栖川有栖。スウェーデン館と地元の人が呼ぶログハウスに招かれ、そこで殺人事件に遭遇する。
国名シリーズ第2弾。

火村&アリスシリーズは順不同で読んでいるので、いまごろ国名シリーズ第2作目です。
でも物語の設定がバレンタイン・デーの時なので、時期的にはピッタリでした。

冬の長いスウェーデンでは、家、そして家族の団欒を大切にするそう。スウェーデン人の奥さん、童話作家のご主人、スウェーデン流のログハウスに双方の親と一緒に暮らす。温かな家族のはずだったのにどうして‥‥という思いになってしまいます。せつないような、でもって大人のエゴを見せつけられたようで心が痛みます。
子供には何も罪はないのに‥‥。ラストの祖父母の言葉には優しさが溢れていて、年を重ねた人だからこそ言える言葉だなぁと、じ〜んときました。

トリックとしては雪に残った足跡というシンプルなものだけど、裏磐梯の五色沼など景観描写が多く、自分も行ったような仮想旅行気分でした。あ、あと美人スウェーデン人妻・ヴェロニカさんの描写が多かったのかも。相当お気に入りのようですね〜有栖川先生。

火村助教授は後半まで登場しないので、『ヒムラー』には物足りないかも。でもアリスの電話一本で風のように現れて、颯爽と事件を解決してしまいます。子供の扱いがうまい、という意外な一面も判明したり。
そして、犯罪を憎むという強い姿勢にちょっとびっくり。今までそんな記述ありましたっけ‥‥?う〜ん、私が忘れていたのかな。
その過去に何があったのか‥‥とても気になります。
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by MameBean | 2007-02-21 18:59 | 借りた本─ミステリ
春期限定いちごタルト事件
(米澤 穂信 / / 東京創元社)

* * * * * * * *

高校に入学したばかりの小鳩君と小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある。そんなふたりが目指すのは「小市民」。

消えたポシェット、意味不明の2枚の絵画、3杯のココアを煎れる方法、テスト中に割れたガラス瓶‥‥。起こるのはどれも日常の謎に分類される出来事。(サカガミに絡む事件はれっきとした犯罪ですけど)
日常の謎であるけど、青春小説のようでもある。
といっても普通の青春小説が含む、『熱血!』とか『甘酸っぱ〜い』といった要素は皆無です。

主人公たちが掲げる目標が、小市民である事。
小市民を目指すゆえ謎なんて解きたくない。でも謎を解かないと小市民たる生活が危うくなる‥‥。なんとも奇妙な葛藤を抱えている。そしてある出来事をきっかけに、小市民たる徳目に微妙に変化が生じてしまう。

小鳩くんの押さえ込もうとしている本性のようなものはよく分かる。何もかも分かってお見通し、というよりも、よく分からないんで教えてくださ〜い、という態度である方が世の中好都合だし。
しかし同じ小市民同志である小山内さんはちょっと掴めない。小学生のように小さく、人見知りが激しい、甘いものが大好き‥‥。でもそれは小山内さんの一部であって、ラストで残りの一部が垣間見えるけど、まだまだよく分からない。

ふたりが小市民であろうとするきっかけ、トラウマとなった出来事については最後まで明らかにされず、心残り。続編(夏期限定トロピカルパフェ事件)で明かされるのでしょうか? そうなるとこれはシリーズ化される前提で出版されたのかな‥‥。そういえば読み始めたとき、間違って続編の方から読んでしまったんじゃないかという違和感を感じたんですけど、それは意図的なのかな‥‥?
あー、気になります。
ということで夏季限定〜も読んでみようと思います。
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by MameBean | 2007-02-13 10:37 | 借りた本─ミステリ

ハサミ男

ハサミ男
(殊能 将之 / 講談社)

* * * * * * * *

少女を殺害し、ハサミを首に突き刺すシリアルキラー『ハサミ男』。
わたしはハサミ男の仕業と思える少女の死体を発見した。
しかし、それはハサミ男の犯行ではない。なぜならハサミ男はわたしだから‥‥。

第13回メフィスト賞受賞作。



本って誰の視点で描かれるかによって物事の捉え方、感じ方って変わってしまうと思う。これは殺人者の視点と警察の視点と両方で描かれています。『わたし』と警察、どちらが先に犯人に迫れるのか。どちらの側であっても犯人に近づいていく過程にはドキドキしました。

最初から何か仕掛けられていそうだな、とは思っていたものの、スッパリ騙されてしまいました。見事でした。
あまりに見事すぎて、頭が真っ白になったくらい。でも状況が飲み込めてくると、今までのシーンとか描写がフラッシュバックしてきて、すべてが一つにつながります。それが快感。そしてミステリの醍醐味ですね。
これはもう1回最初から読みたくなりますね。(実際、読み直しました)


そして殺人犯なのにハサミ男に惹かれます。テレビの評論家が言う『心の闇』がどうとかじゃなくて。
朝起きて、ご飯を作って、バイトして‥‥それら日常生活の中に殺人のための準備が組み込まれていて、淡々と行動を起こす、そういうハサミ男にはリアリティがあります。

自殺志願者が殺人犯、殺人犯なのに探偵役。なーんかちぐはぐで面白いキャラクタです>ハサミ男。
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by MameBean | 2007-02-07 10:35 | 借りた本─ミステリ

月光ゲーム―Yの悲劇’88

月光ゲーム―Yの悲劇’88
(有栖川 有栖 / / 東京創元社)

* * * * * * * *

山へキャンプに訪れた英都大学推理小説研究会の一行。山の噴火によって、同じく居合せた他大学の2つのグループとともに下山が不可能に。
そして起こる殺人事件。
理代、犯人は君なのか‥‥。


有栖川有栖のデビュー作です
学生アリスと呼ばれているもので、火村×アリス以外のものを読むのは初めてかも。


本作は火山の噴火シーンから幕を開けます。これがかなりインパクトあります。
こんな激しいクローズド・サークルものは初めてだなぁ。
殺人犯から生き残ることより、目覚めた火山から生き抜く事の方が大変そう‥‥。
自らも死んでしまうかもしれない極限状況の中で行う殺人。そう考えると動機が弱いような気もするけど、これが書かれた年代を鑑みると、学生の考える事や生き方も今とはちょっと違うのかもしれない。

そして、「あ、私はクローズド・サークル好きだな」と改めて実感。
本作の中でもクローズド・サークルについて講義がされていますが、自然現象による閉鎖・警察の不介入という状況にゾクゾクっときます。

クローズド・サークルにダイイングメッセージ、そして読者への挑戦、と
ベタベタな本格の構成ですが、こういうのもかなり好きです。

主人公たちが推理小説研究会のメンバーということで、作中でもミステリ談義が多く、ミステリの名作すらろくに読んでいない私にはこういったものが楽しい。あ、次はこれ読んでみようって参考になるし。

それにしても、同じ年頃の学生が17名。呼び方がニックネームだったり本名だったりするので、最後の最後まで登場人物欄に戻らないと誰が誰だかわからない、という状態。特に男性陣は曖昧でした‥‥。
そんななか江神部長は飄々としているんだけど、火村ともちょっと違っていてもっと人間くさいところがあり、なかなか気になるキャラクタでした。
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by MameBean | 2007-01-30 12:06 | 借りた本─ミステリ

捩れ屋敷の利鈍

捩れ屋敷の利鈍
(森 博嗣 / 講談社)

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保呂草潤平と西之園萌絵が招待された屋敷には、宝刀『エンジェル・マヌーバ』が眠る、『メビィウスの輪』構造の建物があった。
その密室状態の建物の内部で死体が発見され、秘宝も消えてしまった‥‥。


S&Mシリーズの西之園萌絵とVシリーズの保呂草潤平が競演という、なんともうれしい設定は「講談社ノベルス20周年書き下ろしのスペシャル版!」だからのようですね。これはどういうものなのかというと、講談社ノベルス20周年を記念して、メフィスト賞作家が「密室」を書き下ろしていったシリーズのようです。で、てっきりSMでもVシリーズでもないノンシリーズなのかと思っていたら、どうやらVシリーズになっているようです。だから保呂草さんによる記述となっています。

私はVシリーズ最大のネタの『あの』ことを、SMシリーズを読んでいる途中にネットで不用意に知ってしまったので、保呂草さんの意味深な発言や紅子さんの最後の発言など内心ヒヤヒヤしながら読んでいました。かなり考えて書かれているし、この1冊はシリーズでも特殊な位置づけですね。

物語の舞台はメビウスの輪を巨大にし、輪の中に部屋が連続している建物。いまいち構造がイメージし辛いのですが、森氏のことですから実現可能な構造なのでしょう。しかしこの難しい構造は言わばダミー。消えた宝刀、密室の中の死体‥‥。どちらも心理的な盲点を突いたもので決して難しいものではありません。だからといって電話で聞いた内容だけで謎を解いてしまうとは‥‥、犀川先生の天才ぶりをあらためて感じました。

保呂草さんと萌絵は天才肌的なところが似ているんだけど、保呂草さんはあのとおり腹に一物抱えてそうなので、分かっていてもそれを教えたり分かっていることを悟られたりしない。その点、萌絵は素直だなぁと思う。世間にもまれていない、幼いせいでもあるけど。人生経験積んでいる保呂草さんの方が一枚上手でしたね。
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by MameBean | 2007-01-17 17:45 | 借りた本─ミステリ
フリッカー式―鏡公彦にうってつけの殺人
(佐藤 友哉 / / 講談社)

* * * * * * * *

妹が自殺した。
そして現れた男が渡してきたのは、妹のレイプシーンを撮影したビデオとレイプ魔の娘たちの行動表‥‥。

第21回メフィスト賞受賞作。


佐藤友哉を読むのはほぼ初めてです。(ファウストでちらっとは読んでいると思うけど)

森博嗣、清涼院流水、舞城王太郎、西尾維新‥‥。
メフィスト賞の作家は嫌いじゃない。
壊れた感じのストーリーも狂った感じのキャラクタも嫌いなタイプじゃない、はずなのに。
これはイマイチのりきれなかった。

モチーフがモチーフだけに気分のいい物語ではない。

それでも肉親を失った復讐心の中に恋愛という一抹の光が見えて、途中までは面白くなっていくような期待があった。
でも‥‥そういうオチですか‥‥。
さらにそんなどんでん返しですか‥‥。


七十七人の少女を殺した「突き刺しジャック」という事件も主人公の物語と関係あるんだけど、生かしきれていないような中途半端な印象。出てくるアニメやミュージシャンの固有名詞も中途半端というか、オタクっぽい雰囲気だけでオタクじゃないような。その辺で好みが分かれるのかもしれない。

う〜ん、佐藤友哉、もう1冊くらいは読んでみよう。
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by MAMEBEAN | 2007-01-10 10:30 | 借りた本─ミステリ
サンタクロースのせいにしよう
(若竹 七海 / 集英社)

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失恋、アパートの立ち退き‥‥ツイていないことの連続だった柊子は友人の紹介で銀子さんと一緒に住むことに。
しかし、その家に住むことになってから、身の回りで次々と事件が起こって‥‥。
表題作を含む7つの短編集。


若竹さんは「ヴィラ・マグノリアの殺人」もそうだけど、ご近所のトラブルメイカーを描くのがうまい。
殺人事件とか起きなくても、日常に潜む謎やトラブル、誰しもに潜むちょっとした悪意だけでこれだけいろいろな物語を書けるのだから。
殺人犯などよりも厄介なのはこういった近所のトラブルメイカーなのかもしれない。本人には悪気や自覚がないのだから。
でも若竹作品ではそんなトラブルメイカーでもどこかユーモラスに描かれている。主人公のツイていない境遇だってユーモラスに感じてしまう。自分が悩んだり腹をたてていることも、客観的に見ればこんな風に面白おかしいのかもしれない。そんな風に気が楽になる作品。

身近に起きた出来事や、人から聞いた話をもとに、推理が展開される。
各話で探偵役が違うのがポイントです。短編集と言えどもなかなかこった趣向がこらしてあります。

若竹さんの作品は、最後の1行で毒のあるどんでん返しが待ち受けていたりして、油断できないんだけど、今回は後味のいい余韻が残ります。でもってラスト1行の華麗さは健在。

「犬の足跡」の『玄関の花瓶にビーフジャーキー』に吹き出しそうになりました。
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by MameBean | 2006-12-28 10:33 | 借りた本─ミステリ

月は幽咽のデバイス

月は幽咽のデバイス
(森 博嗣 / 講談社)

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Vシリーズ第3弾。
狼男が出ると噂される豪邸。
そこでパーティーが行われた夜、女性が無惨な死体で見つかる‥‥。



死体は密室状態で発見され、着衣はボロボロ、部屋中に引きずりまわされた痕がある‥‥。
モルグ街の殺人を彷彿とさせる設定は森ミステリっぽくない感じもしますが、部屋中に撒かれた水のトリックなどが森氏ならでは、かな。でもいつもより易し目、私でも理解できる範囲でした。(へっ君のヒントもあったし^^)

しかしトリックなどよりももっと難しく、分からないのは人の心‥‥。
保呂草さんがますます分からない‥‥。
紅子さんとは友達になれるのでしょうかね。

大人組とお子ちゃま組がほとんど別行動だったのが残念だけど、紫子さんの恐がりな一面がかわいらしかったり、阿漕荘の新たな住人・森川君の天然ぶりなど、キャラがたってきた感じ。殺人事件が起きているというのにいっこうに信じず、能天気な練無の、ある意味正常な反応にホッとしたり。

シリーズもノッてきましたね。
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by MameBean | 2006-12-25 17:20 | 借りた本─ミステリ