図書館で借りた本の読書記録です 基本的にミステリ好き


by MameBean
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使命と魂のリミット

使命と魂のリミット
(東野 圭吾 / / 新潮社)

* * * * * * * *

大動脈瘤で命を落とした夕紀の父。父の担当だった医師・西園と母が付き合っていると知った夕紀は、父の死に疑問を抱く。そんな気持ちを抱えたまま夕紀は医者になり、西園の元で研修している‥‥。

同じ病院の出来事でもチーム・バチスタとはえらく違うな。あっちがちょっと変わってるんでしょうが、こちらはかなり硬質な文章。でも、ベテランナースと研修医の関係とか、患者の研修医に対する位置づけとか、研修医の葛藤のようなものはチーム・バチスタには描かれていなかったものなのでおもしろい。

父の死に疑惑を抱き続けたまま病院で研修をしているなか、起きた脅迫事件。

ただの悪戯とも思えたそれがある人物と繋がった時のゾクリとした感覚。こういった感覚が、ミステリを読んでいておもしろいと思える瞬間ですよね。
父の死、父がかつて関わった事件、西園教授、病院に入院している会社社長、今回の脅迫事件、これらに関する夕紀の疑問が一気に晴れます。それが気持ちよくもありますが、犯人が最後に仕掛けた仕掛けが判明してからの最後の展開が、余りにもすらすら〜っといき過ぎていてちょっと物足りない感じも。被害者が善人で犯人が悪者、というわけじゃないからでしょうか。

仕事を辞めることになっても自分は使命を果たしたという父。
組織に背いてでも使命をもって捜査を続けている七尾刑事。
犯人もまた犯人なりの使命を持っている。

頼りない感じだった望もまた最後の最後で使命感を見せます。それまでは‥‥かなりやきもきさせられました。
夕紀の父は誰もがその人しか果たせない使命というものを持っていると言う。果たして自分の使命とは‥‥。う〜ん。そういえば、タイトルの使命って言葉は分かるとして、魂のリミットとは何ぞや?「使命」と「魂のリミット」なのか、「使命と魂」の「リミット」?リミットが何にかかるのか、さえ分からない。私の読解力不足でしょうか?あう〜〜。こんな私にも使命はあるのでしょうか‥‥。


 人間というのは、その人にしか果たせない使命というものを
 持っているものなんだ
 誰もがそういうものを持って生まれてきているんだ
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by MameBean | 2007-10-31 17:26 | 借りた本─ミステリ

焦茶色のパステル

焦茶色のパステル (講談社文庫)
(岡嶋 二人 / / 講談社)

* * * * * * * *

競馬評論家・大友隆一が牧場で銃によって殺され、近くにいたサラブレッドの親子もまた撃たれた。
大友の妻が事件を調べると、競馬界の重大事実が判明する‥‥。
第28回江戸川乱歩賞受賞作。

もうすぐ行く北海道では、社台スタリオンステーションという所に馬を見に行く予定です。
ここには超有名な馬が種牡馬として繋養されていて、マナーをきちんと守れば見学をすることができるらしいんです。で、超がつくほど有名な馬とは『ディープインパクト』。

競馬のことをあまり知らない私でも知っている馬です。私は競馬はよく分からないけど、疾走する馬が間近で観れるのが面白くて、何回か競馬場に足を運んだことがあります。
北海道に行く前に少しは馬のことを知りたいな〜と思い選んだこの本。

競走馬と殺人がからみ、競馬の世界の裏の事情が暴かれます。(もちろんフィクションですが)
馬はただ走るだけなのに、人間の思惑がからむことで事件は複雑になっていきます。ラストは競馬界全体の危機的な状況に‥‥。

この本で分かったのが、競走馬にとって血統がいかに重要なのかということ。
サラブレッドの血統をたどっていくと、必ず3頭の馬にたどり着くそうです。つまり、全てのサラブレッドはその3頭の子孫なんだそう。そこまで遡れるほど、血統がきちんと管理されているんですね。

内容としては競馬がほとんどですが、競馬のことが分からない人が読んでも分かりやすい文章になっています。
登場人物もすごく個性的というわけではないのに、誰が誰だか分からなくなることもなくちゃんと描き分けられていて、選評でデッサン力があると評されていたのもうなずけます。
しかもこれ、デビュー作ですからね。


それでは北海道に行ってきま〜す。
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by mamebean | 2007-08-14 08:33 | 借りた本─ミステリ

恋恋蓮歩の演習

恋恋蓮歩の演習
森 博嗣 / / 講談社

* * * * * * * *

豪華客船ヒミコ号に乗ることになった阿漕荘の面々。
航海中の船内で銃声がし、一人の男が忽然と姿を消した‥‥。

Vシリーズ第6作

空中が舞台の『魔剣天翔』の次は海。
船の上から消えた男性と絵の謎のお話です。消えた絵は関根朔太の自画像。
関根朔太は魔剣—にも出てきた画家ですね。
で、これを追うのが保呂草さんと、前作にも登場した各務亜樹良および関根朔太の義父。

前作のバックグラウンドがあるから、ストーリーや結末に奥行きがありますね。
練無が日曜は朝練をしないことにした、なんてちょっとしたことも、前作の余韻を引きずるようで切ない。

そう、今作も切ない。前半がラブストーリーのようで、SMシリーズの『今はもうない』を思い出しました。森氏の描くラブストーリー(森氏的に書くなら“ストーリィ”ですね)、好きです。
そして『今はもうない』同様、すっぱりと騙されました。でも騙されてよかったとさえ思えます。そんな爽快感。

シリーズを通して各キャラクタがさらに魅力的になってきました。
イマイチ掴めなかった保呂草さんがやっと分かったきたような。『捩れ屋敷の利鈍』でエンジェル・マヌーヴァに執着していたこととか。残るは林警部かな。

あ〜、でもシリーズ未読は『六人の超音波科学者』『朽ちる散る落ちる』『赤緑黒白』の3作になりました。
シリーズを読み終わるのもまた切ない〜〜

英語タイトルは A sea of deceits
 deceit=だますこと、うそ、偽り、ぺてん
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by mamebean | 2007-08-06 17:58 | 借りた本─ミステリ

殺人ピエロの孤島同窓会

殺人ピエロの孤島同窓会
(水田 美意子 / / 宝島社)

* * * * * * * *

現在は誰も住んでいない島で同窓会が開かれることになり、高校の同窓生35人が集まった。
和やかなムードで進んでいた同窓会は、突如現れた殺人ピエロにより恐怖の孤島と化す‥‥。

第4回『このミステリーがすごい!』大賞 特別奨励賞受賞作品。

『チームバチスタ——』と同じ年に『このミステリーがすごい』で賞をとった作品。
帯にどどーんと書いてありますが、作者の年齢が12歳(応募時)。この作品をどうするかをめぐって『このミス』選考会は紛糾した、とのこと。


有栖川氏のデビュー作もクローズドサークルだったなぁ。
火山で人がいなくなった島が舞台だから、火山という設定も似ている。
けどこちらは爆弾あり、殺人地雷あり、カレーあり‥‥何でもありのぶっ飛んだ状況。

目の前で次々と同級生が死んでいくという危機的な状況に対して、登場人物たちの台詞や行動に温度差が感じられてうまく読み進めることができない。
悲壮感も切迫感もあまり感じられなくて、この状況で何でこんなことができるのか不思議なことばかり。これはジェネレーション・ギャップなのでしょうか‥‥。これが10代の子のふつうの感覚だったらコワいな。

でも度々挿入されるチャットの文章や、池で謎の衣装ケースを見つけた小学生の会話なんかは違和感なく、すんなり入ってくる。
等身大の作者の会話なのかも。こういう文章ならもっと読んでみたいと思う。


巻末の大森氏の選評によると、受賞者が12歳だった、というわけではないんですね。
12歳でここまで書けているから賞を出した、という位置づけ。確かに12歳でこの枚数、この文章だとしたら、何も賞を与えないというのは惜しくなるのかも。選考会が紛糾したのも頷けます。
でも読者は必然的に今後の作品にもっともっと期待してしまうから、けっこうプレッシャーですね。

何はともあれ次作に期待、です。
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by mamebean | 2007-07-19 09:25 | 借りた本─ミステリ

香水―ある人殺しの物語

香水―ある人殺しの物語
(パトリック ジュースキント / / 文藝春秋)

* * * * * * * *

18世紀フランス、町は悪臭にまみれていた。
望まれずにこの世に生をうけたグルヌイユには体臭というものがなく、代わりに人並みはずれた嗅覚を持っていた。ある日、少女から理想的な香りがただよってきた‥‥。

「パフューム - ある人殺しの物語」というタイトルで映画化されています。ラストに衝撃のシーンがあるとかで、かなり話題になった映画です。


この物語はグルヌイユという男の一代記でもあります。
ミステリの分類にはいるんでしょうが、当時のパリの人々の生活・風俗を知る資料のようでもあり、当時の人たちの活気が伝わってきます。
匂いがテーマの物語だけあって、古チーズ、酢、玉ねぎ、鼠の糞‥‥いろいろな匂いが登場して、本当にその匂いがしているような錯覚がして思わず息を止めてしまいます。いい匂いも出てくるけど、臭い匂いの方が強烈な印象に残りますね。匂いって映像化が難しそうですけど、映画ではどう表現されてるんでしょう。

人間や川、食べ物などすべての物がひどい匂いを放っている中、唯一匂いのしないのが主人公・グルヌイユ。
その代わりに手に入れた“絶対音感”ならぬ“絶対嗅覚”とでも言うべき、匂いを嗅ぎ分ける能力。

好きな匂いを追い求めることが全てだったグルヌイユの一生。ひとり洞窟で何年も暮らすという、笑ってしまうようなことをもやってのけたこの男。でも、本人はいたって真剣で大真面目なんです。むしろ彼の行動は論理的というか、1本の筋が通っています。それは理想とする香りを調合し、自分のものとすること。
そのために、世間の常識やモラルが理解できなかったのかも知れない。
もともと自分の興味のあること以外学んでこなかったし、誰も教えてくれなかった。

自分の夢を実現したラストはかなり衝撃的。
まるで匂いのように跡形もなく消えてしまったグルヌイユの人生。でもこんな人生でもこの人は幸せだったのかもしれません‥‥。



 悪臭はなだしき巷に生をうけ、ゴミと埃、芥にくるまれ、
 愛なくして育ち、人のなさけとは遠く、
 反感と嫌悪を糧にして成人した
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by mamebean | 2007-07-11 09:10 | 借りた本─ミステリ
独白するユニバーサル横メルカトル
(平山 夢明 / / 光文社)

* * * * * * * *

地図のわたくしが知ってしまったご主人様の秘密。
ご主人様亡き後、おぼっちゃまもまた同じ秘密を持っていて‥‥。

『C10H14N2(ニコチン)と少年—乞食と老婆』『Ωの聖餐』『無垢の祈り』『オペラントの肖像』『卵男』『すまじき熱帯』『独白するユニバーサル横メルカトル』』怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男』。8つの短編集。
2006年度日本推理作家協会賞受賞作。


乙一のデビュー作『夏と花火と私の死体』では、1人称が死体になった『わたし』でしたが、こちらは1人称が197枚で編成された『地図』。正しくは『ユニバーサル横メルカトル図法』の地図。
〈遮蔽〉と〈誇張〉でさりげなくご主人様を導くことを使命としている。その地図が知ってしまった旦那様の秘密‥‥。
そしてそれを受け継いだおぼっちゃま。おぼっちゃまが追いつめられた時、『地図』がすべき最後の仕事とは‥‥。

よかった、ミステリーでした(笑)
「2007年このミステリーがすごい!」第1位ですが、ミステリーなんてないのでは?と思いかけていました。
1作目から黒く、2作目ではグロく、3作目では何かもう想像を絶する世界にくじけそうでした。こんな事言っては何ですが、食欲がなくなります‥‥。それぐらい、キツかった。自分の知っている世界にこんな世界が存在するなどとは思いたくなかった。
でも各話にどんでん返しがあるし、後半からはミステリーっぽい雰囲気になってきて(但しグロい描写は健在)、全部読み終わる頃にはグロさにも免疫がついてきたのか、何とも言えない切ないようなそれでいてすっきりした高揚感があります。

最後まで投げ出さずに読んでよかった〜と、読み始めたばかりの頃の自分をほめてあげたい。
前半と後半でそれぐらい印象が違います。
前半を読んで投げ出した人もがんばって後半を読んでほしい。
ただ、万人にお勧めはできませんが‥‥。
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by mamebean | 2007-05-10 10:14 | 借りた本─ミステリ

孤島パズル

孤島パズル
(有栖川 有栖 / / 東京創元社)

* * * * * * * *

《英都大学推理小説研究会》に新加入の有馬麻里亜の招待で、南の孤島にやって来た江神部長とアリス。
島に点在するモアイ像のパズルを解けば数億円のダイヤが手に入るが‥‥。
学生アリスシリーズ2作目。

推理小説研究会に加わった新しい顔、名はアリママリア。
孫に回文の名前をつけるほど、お祖父さんはパズル好き。
そのお祖父さんが残したお宝を捜すついでに、夏を満喫するはずだった推理小説研究会の3人。
事件が起きて犯人を突き止めるためにも、バカンスはそっちのけで宝の在処を捜さなくてはいけなくなる。
眩しいほどの海や空が殺人事件という非現実さを際立たせています。
スイス館の殺人などもそうだけど、有栖川氏の作品は情景が目に浮かぶよう。

孤島、暗号、お宝、密室、ダイイングメッセージ‥‥
前作『月光ゲーム』のクローズド・サークルがやや変化球であったのに比べ、今作は孤島に閉じ込められるという王道そのもの。次々に起こる殺人、そして3年前に水死した従兄は事故だったのか怪しくなってくる。
それぞれの人のいろんな思惑が絡み合って出来上がった密室。このパズルを解くことはできるのか。

今回の旅はモチ・信長さんは参加できなかったので、パズルのヒントを連絡してあげるはずだったんですけど、無線機が壊されちゃいましたからね。両名、出番ナシでした。でもこのふたりがいないとシリアスな感じになりますね。だれも突っ込まないというか^^;
だからか前作のような若々しさはないけど、やっぱり学生アリスシリーズは『友情』なのだと思わせます。
そして、切ないような哀しい読後感も健在。
夏が終わり、秋が来て冬になって、それを越えれば必ず春は来る。


それにしても、またしても登場人物が覚えられかなったな〜。
従兄だったり義理の兄弟だったり元恋人だったり、親戚なのに人間関係が複雑すぎる‥‥
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by mamebean | 2007-04-20 09:08 | 借りた本─ミステリ

ななつのこ

ななつのこ
(加納 朋子 / / 東京創元社)

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短大生の駒子は『ななつのこ』という本に出逢い、作者・佐伯さんに生まれて初めてファンレターを書く。
そこから駒子と佐伯さんとの往復書簡が始まる。
第3回 鮎川哲也賞受賞作。

加納朋子さん。
著書を読むのは初めてですが、その名前は前々から知っていて気になっていました。
なぜなら私の祖母と同姓同名だから^^ 漢字まで全く同じなんですよ。
初めて読む加納さんの作品は、派手で個性的なキャラクタが登場する訳ではないんだけど、ふみさんや小西先生に真雪ちゃんや瀬尾さんなど、ちょっと会ってみたい、そして友達になれそうと思える身近な存在感がある。

作中作『ななつのこ』は、ある村に住む『はやて』という少年と『あやめさん』との不思議なできごとをめぐるお話で、はやてとあやめさん、読者である駒子とさらにそれを読んでいる私自身と入れ子構造になっています。
7編の短編集ということになっていますが、作中作とあわせると14編のお話があるとも言えます。ちょっとお得な気分です^^
そして各話は1話で完結していますが、ラストで全体が繋がって、新たな人間関係が明らかになります。

駒子が疑問に感じた出来事を手紙の文章だけで解決してしまう佐伯さんは、言わば安楽椅子探偵。
日々暮らしていて、身の回りで殺人や強盗などといった血なまぐさい出来事が起こることはないけど、こんなにも不思議な出来事にあふれているのだと実感させられる。
主人公・駒子はその身近な不思議を見逃さない。それらを呼び寄せる能力のようなものを持っているんじゃないかと思えるほど。
大人と子どもの狭間である年齢に悩みつつも、子どもの時の気持ちを今も持っている駒子がうらやましく思えます。
日常の謎系が好きかもしれないと以前書きましたが、結構好きみたいです。
本格系ももちろん好きですが。

この作中作の『ななつのこ』は絵本として出版されているようです。こちらもおもしろそう。
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by mamebean | 2007-04-05 14:38 | 借りた本─ミステリ
夏期限定トロピカルパフェ事件
(米澤 穂信 / / 東京創元社)

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小市民シリーズ第2弾。
日々を平穏に過ごすことを徳目と掲げる小鳩くんと小佐内さん。
2年生の夏、ふたりの運命を左右する出来事が。きっかけは〈小佐内スイーツセレクション・夏〉‥‥?


〈小佐内スイーツセレクション・夏〉をめぐるひと夏を描いた短編集。‥‥のようでいて各話が繋がって、最後に大きな仕掛けへと発展します。
何気ない描写や表情が伏線になっていたことが判明します。

前作で『狼』の面を垣間見せた小佐内さん。
彼女の身に重大事件がふりかかってきて、小鳩君と小佐内さんの『小市民』的状況も大きな局面にさしかかっています。
ふたりは小市民たる地位を守ることができるのか‥‥。


前作の最後の話、日常の出来事の範疇を超えたもので、ちょっと『違うな‥‥』という違和感がありました。
そして今作、あぁやっぱり。
1話めの「シャルロットだけはぼくのもの」は純粋に楽しめたのに、だんだん出来事が大きくなってくると話についていけない感じがありました。

つまり、私は日常の謎系の話が好きなのかもしれない。
ミステリを読み始めた頃は、日常の謎系の話にあまり面白さを見いだせなかったんですよね。
読書の好みって変わるものですね。


正直に自分を出して生きることは難しい。中学生の二人が経験したであろう過去。その詳細はまだ分からない。
生きやすくするために被ることにした『皮』。
結局その皮も嘘だったのだろう。
小佐内さんは『狼』なのか。
小鳩君は『狐』なのか。
ふたりが、今後どのようになっていくのか非常に気になるラスト。

今夏発売予定の『秋期限定マロングラッセ事件(仮)』を待つしかありません。

 それはまるで、綿菓子のよう。
 甘い嘘を膨らませたのは、ほんの一つまみの砂糖。
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by MameBean | 2007-03-28 10:25 | 借りた本─ミステリ
クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い
(西尾 維新 / / 講談社)

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財閥令嬢が隠棲する孤島・鴉の濡れ羽島に招かれた5人の天才達。
天才たちが集まった時、事件は起こる‥‥。
第23回メフィスト賞受賞作。


サヴァン—フランス語で、知恵ある人。
「俺様ちゃんを誰だと思ってるんだい?」
虚勢でも何でもなくこんな台詞が言える人、そして事実、その通りの能力を持った人。それが玖凪友。

でも事件を解決するのは天才ではない主人公・いーちゃん。

『孤島』『密室』『首なし』というバリバリの本格ものなのに、出てくるキャラクタが現実離れして濃いから本格ものとは一線を画しています。

 全てを知る天才占術師。
 スタイルというものを一切持たない画家。
 どんな料理であろうと他人よりもうまく作ることができる料理人。
 世界のサイバー界を震撼させたグループの創立者。
 世界のトップ7に20代の若さで上り詰めた天才学者。

天才たちの言っていることが森ミステリに出てくる天才に通じるものがあるんだけど、口調や行動が個性的というかエキセントリックだからかなり印象が違います。
天才とか好きだなー、私。天才の思考回路って面白くて好きです。
でもあとがきで西尾氏は天才なんていないのかもしれない、なんて言ってますが。

もう登場しないんじゃないかと思った『最強の請負人』・哀川さんは最後の最後で出て来てくれました。
そして最強と言うだけあっていーちゃんより一枚も二枚もうわてで、事件の真相が二転三転。でも「まっかなおとぎばなし」なんて書かれていたりして。
もうどれが本当なんだか訳が分からない状態。西尾氏の思うツボにハマってしまった感じ。

この物語はシリーズ化されているようで、いーちゃん、友ふたりともまだ何か隠された過去がありそう。
デビュー作からそこまで考えて書いていたかと思うと‥‥スゴいですね。
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by MameBean | 2007-03-22 12:00 | 借りた本─ミステリ