太平洋戦争時のミッションスクールのチャペルで見つかった一人の少女の死体。
美しい蔓薔薇模様が描かれた一冊のノート。
そこに書かれた「倒立する塔の殺人」という物語。
これを書いたのは誰なのか? 倒立する塔とは一体?
ミッション系の女学校、そして時代背景が終戦間近ということもあって、独特な雰囲気が漂っています。
登場する少女達の共通点がカラマーゾフだったり、エゴンシーレの絵に魅了されていたりと、なんだか耽美な雰囲気。時代背景が時代背景なので、少女達は若いながらも死が身近にある。だからそこ小説や絵画の世界を空想することで現実から逃げていたとも思えます。
一冊のノートから読み解く少女達の思い。憧れだったり妬みだったり。女学校という環境はちょっと特殊な世界ですよね。これは私が共学しか通ったことのないからかもしれませんが。
わたくしは、わたくしを裏切った相手を、
狂わせるつもりでおります
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by MameBean
| 2010-06-11 18:56
| 借りた本─ミステリ