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図書館で借りた本の読書記録です 基本的にミステリ好き


by MameBean
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人格転移の殺人

人格転移の殺人
(講談社ノベルス)

西澤 保彦 / 講談社

人格が入れ替わってしまう装置に入ってしまった6人の男女。脱出不能、外部との連絡ができない中で殺人が起こる‥‥。

次々に肉体から魂が転移してしまう、という点にだけ絞った潔さが西澤氏らしい。
装置が何のために作られたのかなんて問題じゃない。無駄なものをそぎ落としたSFミステリ。入れ替わりについてはいくつか法則は見つかってるので、それを無視したアンフェアな事は起こりません。「七回死んだ男」同様、設定は奇抜でもこの辺、きっちり本格ミステリです。

人格が転移した中で起きた殺人。誰(体)が殺したかはわかっているけど、人格は6人のうち誰なのか。そしてもとの自分の体には戻れるのか。
物語の舞台がアメリカで、海外における日本人の劣等感を描きつつ、それが事件にも大きく関係していく。どうしてこの6人なのか。すべてがよく練り上げられたものだとわかります。
そして最後にわかる転移を止める方法には、ちょっとほんわかした気分になりました。
by MameBean | 2009-03-17 18:10 | 借りた本─ミステリ