パラダイス・クローズド
2009年 03月 06日
魚オタクで「死神体質」な高校生探偵・美樹。そんな美樹に振り回され、事件に巻き込まれるのは双子の弟・真樹。そして彼らのボディーガード役の刑事。
「死」によく出くわすのは探偵ならしょうがないこととはいえ、高校生探偵がもし実在したらこんな性格になるのでしょうか。確かに某名探偵の孫とか、親友や親戚が事件に巻き込まれてますからね。
美樹や推理作家陣から出てくる台詞は密室だの、二十則だの、十戒だのと、本格好きの人を意識した作品で、メフィスト賞らしいと言えばメフィスト賞らしい。そして最後には本格を逆手にとった、探偵がまさかの暴挙。本格でこんなことしたらふつう怒っちゃいますよね。この辺もメフィスト賞らしい。
しかし、双子の美樹真樹はわりとキャラクタが描かれているのに対して、推理作家陣のキャラが全然描かれていないので、誰が誰なんだかという以前に何人いたのかさえあやふや‥‥。そんな状況なので、とても犯人が誰なのか考えられませんでした。
そして、解決編が長いですね。犯人が判るのがちょっとあっけなく早いわりに、探偵による解決編がくどく感じられます。本格好きな人を意識したのならもっとコンパクトでもよかったのではー、と思ったり。
また、美樹が語る魚蘊蓄が膨大なんですが、流し読みでも全然オッケーでした。トリックに関係することはするんですけどね。
by MameBean
| 2009-03-06 18:15
| 借りた本─ミステリ