図書館で借りた本の読書記録です 基本的にミステリ好き


by MameBean
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荒野

荒野

(桜庭 一樹 / 文藝春秋)

中学に入学したばかりの山野内荒野(こうや)。一緒に暮らすのは恋愛小説家の父と家政婦。荒野にとってあたり前の生活が、一人の女性によって変わっていく。



父娘の物語ということで「私の男」を連想しましたが、全く違う作品でした。恋愛小説。
一人の女の子が大人の女へと変わっていく過程を一年一年丁寧に描いていて、どちらかというと「赤朽葉家」に近いのかも。こういう描き方って桜庭氏らしいなぁと思います。そして舞台となる街を、物語に彩りをそえるように上手く描いているのも桜庭氏らしい。今作の舞台は鎌倉です。鎌倉いきたいな‥‥。

荒野の家族は父ひとり。蜻蛉みたいでいつもキザな父親にはいつも複数の愛人の影がある。男としては最低だと思うけど、荒野のことは決して小説には書かなかったり、ふと荒野の成長を喜ばしいような寂しいような目で見守っているのは、父親としては及第点かな。

思春期特有の自分の体の変化にとまどったり、桃子さん、蓉子さん、編集さん
といった周りの女性たちから「女」を見せつけられたり。何かと複雑な環境に身を置く荒野ですが、全てを抗うことなく受け入れるその姿勢にだんだん大人の雰囲気がでてきます。
恋をして、その思いが通じて‥‥という少年少女向けの甘い話だけじゃなくて、父と愛人のことなど大人のズルさなども描かれていて、ドキッとさせられます。
あぁ、きっとこれはかつて少女だった人に向けた小説なんですね。

 好きってどういうこと?恋ってなぁに?
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by MameBean | 2008-12-15 18:26 |     ─小説・エッセイ