図書館で借りた本の読書記録です 基本的にミステリ好き


by MameBean
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あぽやん

あぽやん
(新野 剛志 / / 文藝春秋)

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あぽやん
APO=空港を表す業界用語。あぽやんとは旅行会社に勤め、空港に勤務する人をさす。

 あぽやんはあぽやんさ。
 あぽやんは世界を救えない。あぽやんは空を飛べない。
 あぽやんは金の匂いがしない。あぽやんは怒る。あぽやんは笑う。
 あぽやんは走る。
 あぽやんは、空港にいる。

「閑職」である空港業務についた遠藤。座席が取れなかったり、クレームが来たり、お客がパスポートを忘れたり、空港で起こる出来事はトラブルだらけ。はたして今日も無事お客様を送り出すことはできるのか。
遠藤のあぽやんとしての成長を描きつつも、「ねずみ」事件や「NO-REC(予約記録無し)」事件など、ミステリ仕立ての話もあったりして、誰でも楽しめるエンタテイメントとなっています。
団塊の世代の住田所長、バブル期入社の今泉、就職氷河期に入社した遠藤、自分探し病にかかっている古賀。
それぞれの世代によって仕事への取り組み方は違うけど、みんな根底に「お客様を笑顔で送り出す」というのがあって、真摯に仕事に打ち込んでいる姿にこちらまで背筋が伸びます。たとえ自分のキャリアにならないような仕事だとしても。こういうプロ意識を垣間みるれると、自分もがんばろうと思いますね。

冒頭に「あぽやんは世界を救えない」なんて書かれているけど、はたして遠藤のあぽやんに対する想いはどう変わるのか。ラストの1行がこの物語を全て表していると思う。

 あぽやんはお節介、あぽやんはお調子者、あぽやんは気分屋。
 あぽやんはまっすぐ、あぽやんは温かい、あぽやんは向こう見ず。 
 僕はあぽやんに、なりたい。
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by MameBean | 2008-10-22 03:29 |     ─小説・エッセイ