図書館で借りた本の読書記録です 基本的にミステリ好き


by MameBean
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妃は船を沈める

妃は船を沈める
(有栖川有栖 / / 光文社)

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大阪湾に沈んだ男は自ら海に沈んだ?−「猿の手」。離れの部屋で見つかった死体は、地震の最中に殺された?−「残酷な揺り籠」。
「妃」とあだ名される女性のまわりで起こる事件に火村准教授が挑む。

作家アリスシリーズです。
長編となっていますが、「猿の左手」と「残酷な揺り篭」という2つの中編が幕間によって繋がっています。「猿の左手」はウィリアム・W・ジェイコブズの怪奇小説『猿の手』の最後の解釈を巡って北村薫氏と議論を交わしたことがきっかけとなって生まれた話だそう。『猿の手』についてかなり詳しく言及しているのでこれでほぼストーリーを知ってしまいましたが、それでも読んでみたくなりました。

2つの事件に関わるキーパーソンが妃沙子という女性。
若い男の子の面倒を見るのが好きで、「妃」と呼ばれている。40代という年齢の割にはきれいな女性だそうですが、全然魅力的じゃない。事件の関係者だということを差し引いても、アヤシい‥‥。敵意をむき出しにした火村准教授とのバトルにハラハラました。バトルは「猿の左手」では不完全に終わるものの、「残酷な揺り篭」でもって決着をつけています。
幕間に登場する、かつて船乗りが集まったというバーのマダム。妃よりもよっぽと彼女のほうが魅力的なキャラでした。火村をゲオルグと呼べる人は彼女だけでしょう。船を沈める妃に対して、港のようなマダム。このタイトルも有栖川氏らしいなー。

動機ですが、「猿の左手」と「残酷な揺り篭」でイメージがちょっとチグハグな気がしました。お金か愛か、といったらお金を選びそうなあの人が、こういった動機で犯罪を犯すのか。2年の歳月で人も変わる、ということなのでしょうか。「残酷な揺り篭」の動機が弱く感じるんですよねー。

今回気になったのは、火村准教授の過去に関する部分と新米刑事の登場。火村准教授の癖に鋭い洞察をむけた女性刑事・コマチ。彼女が火村准教授の過去を知るきっかけになりそうなそんな予感‥‥。そして恋愛関係に発展しそうなそんな予感‥‥。いやだな‥‥。
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by MameBean | 2008-09-10 19:10 | 借りた本─ミステリ