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図書館で借りた本の読書記録です 基本的にミステリ好き


by MameBean
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怖い絵

怖い絵
(中野京子 / / 朝日出版社)

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昔は美術館に行ったら作品を観なくちゃ!という思いが強くて、パネルに書かれた解説を読むことは少なかったです。でもある時、その画家の一生や生きた時代背景を知ることで絵の印象ががらっと変わることを知ってからは、解説も読むようになりました。この前のコロー展では絵を観る時間が少ないこともあって、あらかじめHPで予習までしましたし。

その絵の描かれた時代や作者の背景を知ると、絵の印象がまったく変わってしまう。そのことに改めて気づかされる本。
知っている絵と知らない絵が半々くらいでした。
メデュース号やいかさま師はルーブルで実物を観てきました。その大きさもさることながら実物はさらにすごい迫力。特にメデュース号。この絵を描くために作者のジェリコーは本物の生首を入手して、変化していく過程をスケッチした、と書いてあって背筋が寒くなりました。
しかしこの本を読んで、そんなに怖いとは思いませんでした。

ここに書いてあるのは中世の三大疫病とか、絵画に用いられたモチーフが何を意味しているか、とか私が知らなかったことばかり。置時計や砂時計が死を表しているなんて初めて知りました。
中世の時代、絵画に描かれたモチーフなどからその絵のテーマを読み解くことは上流階級の遊びだったそうです。聖書やギリシャ神話とかを知らないと西洋絵画を理解するのは難しいけど、逆にそういった知識があればすごく面白くなるんだなと気づかせてくれました。

ちょっと著者の深読みかなーと思う部分やこじつけっぽく感じる部分はあるものの、絵画について分かりやすく学べる本だと思います。
by MameBean | 2008-09-03 18:25 | ─小説・エッセイ