図書館で借りた本の読書記録です 基本的にミステリ好き


by MameBean
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ラットマン

ラットマン
(道尾 秀介 / / 光文社)

* * * * * * * *

アマチュアバンド「sundowner」のメンバーが練習している最中、元メンバーが死亡。これは事件なのか、事故なのか‥‥。

道尾秀介氏の名前は本格ミステリ大賞とかで知ったのかな。若いミステリ作家なのにすでにいろいろ賞をとっていて、前々から読みたいと思いつつも読んでいなかった作家さんです。初読みです。

タイトルの「ラットマン」とは、とあるイラストが、動物のイラストがいくつか描かれている中にあるとネズミに見え、男女の顔がいくつか描かれている中にあると男の人に見える、という心理学で有名な現象のことだそう。前後の文脈によって物事の認識が左右されてしまう、簡単に言うと思い込みのことのようです。この話の中にはいくつもの思い込みが出てきて、それらに偶然が重なって今回の事件が起こっています。もっとも真相がわかるのは最後の数ページで、それまでには二転三転の展開があります。その度に驚きがありました。もっと言葉に出して気持ちを伝えていれば、その思い込みは避けられたんじゃ‥‥と思ってしまいますが、なかなかそうはいかないのが現実なんですよね。

そういえばこんなところでも出てきました、ハリガネムシ。主人公である姫川の中でふくらむ殺意がハリガネムシと重ねられます。姫川は事件に大きく関わっていることが早い段階でわかるので、目が離せない展開になっています。

 殺意だけでは、人は殺人者になることはできない。
 殺意と殺人のあいだには、いくつもの偶然が介在している。
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by MameBean | 2008-07-25 17:47 | 借りた本─ミステリ