図書館で借りた本の読書記録です 基本的にミステリ好き


by MameBean
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首無の如き祟るもの

首無の如き祟るもの
(三津田 信三 / / 原書房)

* * * * * * * *

奥多摩にある媛首村(ひめがみむら)の名家・秘守(ひかみ)家。
秘守家で代々続く通過儀礼・十三夜参りの最中に、当主一族の双子の娘が遺体で発見された‥‥。

昭和という時代のせいか『不在証明(アリバイ)』とか『莫迦(ばか)』などといった独特な硬質な言い回しにクセがあります。秘守家での複雑な跡取り問題とか、登場人物も多いため、状況を把握するまでちょっと手こずりました。

淡首(あおくび)様の祟りを恐れている名家。首にまつわる祟りの話の他にも、村の地名にも『首』が用いられていたりと『首』というキーワードがやたらと出てくきます。
そんな秘守家で起きた、三つの首無し事件。

この秘守家の当主一家が、確実に何か隠していそうなんです。死体を誰の目にも触れさせず火葬したり、不穏な言動をとったり。
十三夜参りでのひめこ殺害に関してはおぼろげに予想できたのですが、その後の二重三重の展開、そして解決編に入ってからのあの展開までは到底思いつくものではありませんでした。
作者による『幕間』が交互に差し込まれるんですが、説明的過ぎるしリズムが変わるので読みにくいな〜って終盤まで思ってました。でも最後にはこれがよく練られた上でのものだったことが分かります。
ミステリにおける首無しの分類をやるあたり、天晴です。

しかしこれ、シリーズものなんですね。全く知らずに読んだので、刀城言耶なる、途中にちらっと出てきただけの人がいきなりやって来て、すっぱり真相を看破したのにはびっくり。なかなか面白そうなキャラクタなんだけど、いかんせん描写が少ないのが残念。先輩の方がインパクトありすぎです。

このミスでランクインしているし、本格ミステリ大賞の候補作にもなっているし、大変評判がいいのですが、私はイマイチ合わなかった、というのが率直な感想です。土着的なところとかホラーちっくなところとか嫌いじゃないんですけどね。物足りない気が‥‥。横溝っぽいという評判を聞いていたのでイメージが出来上がり過ぎていたのかもしれません。

途中から「江川蘭子」なる人物が登場しますが、江戸川乱歩・横溝正史・甲賀三郎・大下宇陀児・夢野久作・森下雨村の6人が執筆した合作探偵小説のタイトルが「江川蘭子」なんだそう。しかも命名したのは乱歩だとか。本作もきっとミステリマニアの方が読めばいろいろとオマージュな部分があるって楽しめるんでしょうねー。
う〜ん、「江川蘭子」読んでみたい。
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by MameBean | 2008-04-10 19:48 | 借りた本─ミステリ