図書館で借りた本の読書記録です 基本的にミステリ好き


by MameBean
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夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女
(森見 登美彦 / / 角川書店)

* * * * * * * *

クラブの後輩に一目惚れしてしまった「私」。
彼女のハートを射止めるべく、常に彼女の視界に入ることを心がけてきた。
第20回山本周五郎賞 受賞。

なるべく彼女の目にとまる作戦、名付けて「ナカメ作戦」。

偽電気ブラン、閨房調査団、韋駄天コタツ、パン食連合ビスコ派、偏屈王、プリンセス・ダルマ‥‥
読んでいない方にとっては何のこっちゃという感じですが、これはうまく説明できないんですね。もう読んでもらうしかない、としか言えません。ちなみに私もビスコ派です。小麦胚芽入り。

外堀から本丸こと意中の後輩へと攻めていこうとする先輩に対して、どこからともなく突然現れて恋路を邪魔するのが、これまた摩訶不思議な人たち。
いつも浴衣を着てて自らを天狗と名のり空中浮遊する樋口さん。宴会に紛れ込んでタダ酒を飲むのを得意とし、酔うと人の顔を舐めまくる羽貫さん。大富豪で屋上に竹林と池のある自家用三階建て電車に乗っている李白翁。
樋口さんと羽貫さんは『四畳半神話大系』に登場するそうですね。そっちから読めばよかったかな。

他にもパンツ番長や事務局長とか象のお尻の人とか、書ききれないくらいのたくさんの人が登場します。脇役が強烈な個性を放っているから、黒髪の乙女はヒロインに決まっているのに、先輩はいつまでたってもヒーローにはなれず路傍の石ころに甘んじるしかない。でも先輩には申し訳ないけど、特にたくさんの人が入り乱れてカオスと化す学園祭の話がいちばんオモチロイ。その次の冬の話で怒濤の出来事も終焉を迎え、しみじみと人恋しくなります。

意中の彼女にも『運命』を感じてもらいたいのに、いつまでたっても『あ!先輩、奇遇ですねえ!』としか言われず、眼中になさそう。天然だな〜、彼女。先輩と黒髪の乙女の交互の視点で書かれるので、乙女の気づいてなさっぷりに少々先輩がかわいそうになります。ほんと、ニアミスなんですよ。春の夜の先斗町で、夏の古本市で、秋の学園祭で。いつも同じ場所ですれ違いつづけ、最後の最後に念願の偶然の出会いができるんだけど、詭弁踊りだの火鍋だので混乱して、台詞が出てこず逃げるようにその場を去るしかない。まぁこんなもんですよね、現実は。

でも、これからお願いごとをする時に唱える呪文は決まりました。
なむなむ!


 偶然のすれ違いになるか、それとも運命の出逢いになるか、
 すべては己にかかっている。
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by MameBean | 2007-10-24 17:29 |     ─小説・エッセイ