図書館で借りた本の読書記録です 基本的にミステリ好き


by MameBean
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ゾラ・一撃・さようなら

ゾラ・一撃・さようなら
(森 博嗣 / / 集英社)

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頸城悦夫の元に舞い込んできた依頼、それは、むかし法輪清次郎というタレントに渡したものを取り戻してほしいというもの。しかも彼はゾラという殺し屋に命を狙われているという。

『ゾラ』とタイトルにあるので、『ZOKU』と関係ありそうですが、ノンシリーズの書き下ろし長編です。

主人公・頸城が取り戻すべく画策するお宝は、森ファンにはおなじみの『天使の演習』。保呂草さんが手に入れたやつですね。保呂草さんからどういう経路で渡ったんだろう〜なんて思いを巡らせてしまいます。そういえば夏のレプリカに出てた詩人・蓑沢素生(杜萌のお兄ちゃんですね)が出てきたりして、SMシリーズとリンクしてます。
しかも主人公が探偵ということで、いやがおうにも保呂草さんとだぶってしまいます。『ハードボイルド作品』というキャッチコピーですが、ハードボイルド度(?)は保呂草さんのほうが上ですね。

事件は終盤まで起こらず、大掛かりなトリックがあるわけでもなく、森氏のミステリを読んでいればゾラの正体は何となく予想がつきます。でもこの本の魅力はそういったミステリな要素ではなく、森氏ならではの洒落の利いた会話。そこに加わる恋愛のエッセンス。頸城は依頼にのめり込むと同時に、依頼人である志木真知子の魅力にも引き込まれていく、その過程に引き込まれました。
あー、やっぱり森氏の描くラブストーリー好きだなー。


 一瞬で馬鹿になれる能力がまだあった。それが今はない。
 不思議だ。知恵がついてしまったのだ。
 知恵というのは車でいえばブレーキのことである。
 これがなくては、走れない。少なくとも安全には走れない。
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by MameBean | 2007-10-05 07:08 | 借りた本─ミステリ