図書館で借りた本の読書記録です 基本的にミステリ好き


by MameBean
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鹿男あをによし

鹿男あをによし
(万城目 学 / / 幻冬舎)

* * * * * * * *
大学の教授の勧めで、期限付きで奈良の女子高の先生をすることになった「おれ」。
慣れない土地、うまくいかない授業で悩んでいるとき、人間の言葉をしゃべる鹿が現れた‥‥。

『20年後』『しゃばけ』、そしてこの『鹿男——』と、面白い本に連続で当たったので、俄然読書が楽しいです。そろそろ読書の秋ですしね。

 大阪の食い倒れ、京都の着倒れ、奈良の寝倒れ

昔、鹿は「神鹿(しんろく)」と呼ばれ、鹿を殺した人間は死罪だった。朝起きて家の前で鹿が死んでいたら大騒ぎで、隣の家の前に死骸を移動しちゃうなんてことも。遅くまで寝ていると、他人からのとばっちりを受けることになる‥‥それを『奈良の寝倒れ』と言うそう。

そんな鹿も、現代ではただの動物という扱いである。奈良公園にいけばわんさかいる。しかし、この鹿がしゃべるのである。しかも人類を危機から救うための役割を人間に命ずるのである。

荒唐無稽な設定だな‥‥と思って読み進めていたけど、1800年前にまで時代が遡り、鹿島大明神やらなまずやら富士山噴火やらいろんな符牒が繋がっていく。神無月という言葉の意味、十二支に狐と鹿がいない理由、日本の歴史や文化についても話に面白く絡めていて、それも楽しく、かつためになります。
あと、途中の青春スポーツ小説風(?)な剣道の試合シーンにはドキドキしてしまった。しかも試合が終わってクライマックスを迎えるのかと思ったらそうじゃなく、それからも波乱があってまだまだ楽しめました。

誰が狐の使いなのか、誰が鼠の使いなのか、それを推理するというミステリ的な楽しみもある。う〜ん、まさか彼女がそう絡んでくるとは‥‥。うん、でもいろいろとすっきりつながった感じがする。ラストがちょっと無理矢理な感じがあるけどね〜

キョンキョンが『ポッキーを‥‥』と言っていたのはコレだな、と分かってうれしい。

 人間という生き物は文字にして残さないと、何もかも忘れてしまう。
 本当に大事なことは、文字にしてはいけない。
 言葉とは魂だからだ。
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by MameBean | 2007-09-19 01:18 |     ─小説・エッセイ