図書館で借りた本の読書記録です 基本的にミステリ好き


by MameBean
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捩れ屋敷の利鈍

捩れ屋敷の利鈍
(森 博嗣 / 講談社)

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保呂草潤平と西之園萌絵が招待された屋敷には、宝刀『エンジェル・マヌーバ』が眠る、『メビィウスの輪』構造の建物があった。
その密室状態の建物の内部で死体が発見され、秘宝も消えてしまった‥‥。


S&Mシリーズの西之園萌絵とVシリーズの保呂草潤平が競演という、なんともうれしい設定は「講談社ノベルス20周年書き下ろしのスペシャル版!」だからのようですね。これはどういうものなのかというと、講談社ノベルス20周年を記念して、メフィスト賞作家が「密室」を書き下ろしていったシリーズのようです。で、てっきりSMでもVシリーズでもないノンシリーズなのかと思っていたら、どうやらVシリーズになっているようです。だから保呂草さんによる記述となっています。

私はVシリーズ最大のネタの『あの』ことを、SMシリーズを読んでいる途中にネットで不用意に知ってしまったので、保呂草さんの意味深な発言や紅子さんの最後の発言など内心ヒヤヒヤしながら読んでいました。かなり考えて書かれているし、この1冊はシリーズでも特殊な位置づけですね。

物語の舞台はメビウスの輪を巨大にし、輪の中に部屋が連続している建物。いまいち構造がイメージし辛いのですが、森氏のことですから実現可能な構造なのでしょう。しかしこの難しい構造は言わばダミー。消えた宝刀、密室の中の死体‥‥。どちらも心理的な盲点を突いたもので決して難しいものではありません。だからといって電話で聞いた内容だけで謎を解いてしまうとは‥‥、犀川先生の天才ぶりをあらためて感じました。

保呂草さんと萌絵は天才肌的なところが似ているんだけど、保呂草さんはあのとおり腹に一物抱えてそうなので、分かっていてもそれを教えたり分かっていることを悟られたりしない。その点、萌絵は素直だなぁと思う。世間にもまれていない、幼いせいでもあるけど。人生経験積んでいる保呂草さんの方が一枚上手でしたね。
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by MameBean | 2007-01-17 17:45 | 借りた本─ミステリ