サンタクロースのせいにしよう
2006年 12月 28日
サンタクロースのせいにしよう
(若竹 七海 / 集英社)
* * * * * * * *
失恋、アパートの立ち退き‥‥ツイていないことの連続だった柊子は友人の紹介で銀子さんと一緒に住むことに。
しかし、その家に住むことになってから、身の回りで次々と事件が起こって‥‥。
表題作を含む7つの短編集。
若竹さんは「ヴィラ・マグノリアの殺人」もそうだけど、ご近所のトラブルメイカーを描くのがうまい。
殺人事件とか起きなくても、日常に潜む謎やトラブル、誰しもに潜むちょっとした悪意だけでこれだけいろいろな物語を書けるのだから。
殺人犯などよりも厄介なのはこういった近所のトラブルメイカーなのかもしれない。本人には悪気や自覚がないのだから。
でも若竹作品ではそんなトラブルメイカーでもどこかユーモラスに描かれている。主人公のツイていない境遇だってユーモラスに感じてしまう。自分が悩んだり腹をたてていることも、客観的に見ればこんな風に面白おかしいのかもしれない。そんな風に気が楽になる作品。
身近に起きた出来事や、人から聞いた話をもとに、推理が展開される。
各話で探偵役が違うのがポイントです。短編集と言えどもなかなかこった趣向がこらしてあります。
若竹さんの作品は、最後の1行で毒のあるどんでん返しが待ち受けていたりして、油断できないんだけど、今回は後味のいい余韻が残ります。でもってラスト1行の華麗さは健在。
「犬の足跡」の『玄関の花瓶にビーフジャーキー』に吹き出しそうになりました。
(若竹 七海 / 集英社)
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失恋、アパートの立ち退き‥‥ツイていないことの連続だった柊子は友人の紹介で銀子さんと一緒に住むことに。
しかし、その家に住むことになってから、身の回りで次々と事件が起こって‥‥。
表題作を含む7つの短編集。
若竹さんは「ヴィラ・マグノリアの殺人」もそうだけど、ご近所のトラブルメイカーを描くのがうまい。
殺人事件とか起きなくても、日常に潜む謎やトラブル、誰しもに潜むちょっとした悪意だけでこれだけいろいろな物語を書けるのだから。
殺人犯などよりも厄介なのはこういった近所のトラブルメイカーなのかもしれない。本人には悪気や自覚がないのだから。
でも若竹作品ではそんなトラブルメイカーでもどこかユーモラスに描かれている。主人公のツイていない境遇だってユーモラスに感じてしまう。自分が悩んだり腹をたてていることも、客観的に見ればこんな風に面白おかしいのかもしれない。そんな風に気が楽になる作品。
身近に起きた出来事や、人から聞いた話をもとに、推理が展開される。
各話で探偵役が違うのがポイントです。短編集と言えどもなかなかこった趣向がこらしてあります。
若竹さんの作品は、最後の1行で毒のあるどんでん返しが待ち受けていたりして、油断できないんだけど、今回は後味のいい余韻が残ります。でもってラスト1行の華麗さは健在。
「犬の足跡」の『玄関の花瓶にビーフジャーキー』に吹き出しそうになりました。
by MameBean
| 2006-12-28 10:33
| 借りた本─ミステリ