図書館で借りた本の読書記録です 基本的にミステリ好き


by MameBean
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解体諸因

解体諸因
(西澤 保彦 / 講談社)

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マンションの8階からエレベータに1人で乗った女が、1階に到着してみるとバラバラの死体になっていた‥‥。
バラバラ殺人をテーマにした9つの連作短編集。

西澤氏の作品はアンソロジーで短編を読んで面白かったので、初めて借りてみました。いろんな作家を知るきっかけとなるのがアンソロジーの良いところですよね。


両手両足に手錠をはめられて解体される(解体迅速)、手足の指までバラバラに解体される(解体信条)、被害者の首が次の被害者の体にすげ替えられていく(解体照応)‥‥。一見、猟奇的で不可解なバラバラ殺人。

一番面白かったのは最初の『解体迅速』かな。バラバラ殺人と言うと、犯人は精神に異常をきたしていたとか、被害者に対する憎悪の余りとか、死体を運びやすくするためくらいの理由しか思いつかなかったのに、「どうしてバラバラにしたのか?」というバラバラにすることの理由が解き明かされる、その衝撃は大きかった。


探偵役が人から話を聞いただけで推理する安楽椅子探偵なので、バラバラ殺人がテーマになっているけどグロテスクな描写はなく、謎解きがパズルのようで面白い。何気ない描写が伏線になっていたりして、その伏線を組み合わせていくとパズルが完成する。あとがきで著者が自身のことをパズラーと言っていたのも納得です。

描写にも無駄がなく、でもちゃんとキャラクタが描かれていて、作中に登場する『タック&タカチ』の他のシリーズ作品も読んでみたくなりました。各話の登場人物に繋がりがあるのも芸が細かいですね。


9つの短編の中、戯曲風の話が入ったり、日常の謎的な話が入ったり、とバラエティに富んでいて飽きない工夫がしてあります。しかも最後の話で、それまでの話が繋がるというアクロバティックな技まで。最後の最後まで飽きませんでした。
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by MameBean | 2006-09-14 14:57 | 借りた本─ミステリ