図書館で借りた本の読書記録です 基本的にミステリ好き


by MameBean
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風味絶佳

風味絶佳
(山田 詠美 / 文藝春秋)

 * * * * * * * *

肉体労働者の男性が登場する、「間食」「夕餉」「風味絶佳」「海の庭」「アトリエ」「春眠」という6編の短編集。


山田詠美の作品を初めて読んだのは、高校生の時の現国の模試、風葬の教室でした。
模試だということを忘れて物語に引き込まれたのを覚えています。
それ以来、ガ〜ッと山田詠美の作品を読み耽りました。
ヒリヒリするような痛いまでの狂おしい気持ち、自分には経験がないけどそんな気持ちになり、どうすれば大人になれるのかを教えてもらったような気がします。


本作は昔に比べると穏やかな感情。
山田詠美のラストで思いも寄らなかったところに結びつくオチがダイナミックで好きなんですが、そういうのはなくもっと日常のなだらかな感じ。

肉体労働をする人たちがテーマ、だそうですが、私には「食」がテーマのように感じました。

昔の山田詠美だったら、「食欲」=「性欲」なんだけど、今回はそうじゃない。

「夕餉」が一番好きでした。
自分が作ったもので大好きな人の体が構成されていく喜び。
すごく分かるな〜
食べる人のことを考えると、料理のプロセスひとつひとつが大切に思えてくる。
きちんと出汁をとるとか、隠し包丁を入れるとか、面取りをするとか。
それをやりたくなくなるのはきっとその人が好きではなくなったということなんだろう。
「料理は愛情」って言うし、愛の証。
女性って料理で愛情を表現するんです^^

「アトリエ」での歪んでいく愛情なんかは、「色彩の息子」を彷彿とさせる感じでおそろしくも悲しい。


逆にイマイチ共感できなかったのが「春眠」。
義母には共感できず、イライラしてしまいました。
自分達を理解してほしいのか、ほっといてほしいのか。
自分は傷つかずに、主人公の気持ちを傷つけてるだけにしか思えない。
う〜ん、ちょっとフラストレーションがたまる‥‥。


あ、表題作はシュガー&スパイス 〜風味絶佳〜というタイトルで映画化されるそうですね。
グランマが夏木マリさん、ナイスキャスティングです。
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by MameBean | 2006-07-03 14:20 |     ─小説・エッセイ