製鉄天使
2010年 05月 14日
小豆の中学入学直前から始まる本作。名前こそ違うけど、中国地方の製鉄所と不良少女、不思議な能力というキーワードで赤朽葉家の外伝的な作品だとピンときます。
桜庭氏のインタビューで「花のあすか組!」をイメージして書いたようなことを読みましたが、まさにあすか組の世界。
あぁ、私も読んでましたよ‥‥。おシャンだとかマスコットだとかなつかしい。武器商人みたいな人もいるし。
本作、そんなノベライズのような世界観で、言葉も台詞じみているし、ちょっと感情移入はしにくい。小豆の鉄を操る特殊な能力とか、ハイウェイダンサーの牛糞で文字を書く(笑)特技とかも。
でもあすか組好きだったのでこういうの嫌いじゃないです。読む人によって好みは分かれそうですけどねー。
少女から、大人へ。たった数年の物語だけど、ぎゅっと詰まった濃い時間。
こういう一代記みたいなのを描くのが上手いのが桜庭氏。
幕間に挟まれる物語の謎の語り手。
正体が誰なのか、どうしてそんな状況になったのか。最後に分かった時はなるほど!と思ったと同時に、笑っちゃいました。
by MameBean
| 2010-05-14 18:35
| ─小説・エッセイ