ショコラティエの勲章
2009年 06月 16日
〈ショコラ・ド・ルイ〉で起きた万引き事件がきっかけで、あかりはシェフ・長峰と知り合う。それからたびたびあかりが関わった出来事の相談をする
シェフが謎解きをするのはビストロ・パ・マルのシリーズに似ていますね。どちらも東京創元社だし。
あかりが出くわすちょっとした謎についてシェフに相談しますが、シェフは必ずしも謎を解くことがいいことではないと言う考えなので、すっきりと謎が解けるわけではない。むしろ知ってしまったことで心に抜けない刺がささったような結果に…。でもあかりはたとえ結果がどうであれ、自分で納得して謎を解くことを選ぶんですよね。
好みだったのは長峰シェフの修業時代の話「約束」。
長峰シェフはパ・マルのシェフ同様、謎の多い人なので、その人柄が少し分かって面白かったです。「食」の世界の裏側のようなものを垣間みれるのも面白い。
ブタクサにアレルギーのある人がメロンでもアレルギー症状が出るとは初耳でしたー。私もブタクサの花粉症持ちなのでメロン食べてかぶれることあるんですよね。食べ物って生死に関わったりすることだから、そこに携わるプロの責任感ってすごいと思わされました。
表題作の「ショコラティエの勲章」も面白かったです。関西ショコラ倶楽部というものがあり、ある会員の娘が長峰シェフの作ったスイーツにダメ出しをし、次回に長峰シェフがもう一度作り直すというもの。スイーツの味も時代によってうつり変わりがあるけど、変わらないでいてほしい味というのもありますよね。たまーにバタークリームのケーキとか食べたくなるんですよね。
どうしてもパ・マルと比べて読んでしまいましたが、パ・マルほど食べ物の描写が印象に残らないかなー。出てくるお菓子用語がよく分からないというのもあるかもしれない。唯一印象的だったのが上記のバタークリームのケーキ。やっぱり自分が食べたことがあるものだとおいしそうに思えますね。
by MameBean
| 2009-06-16 17:57
| 借りた本─ミステリ